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｢やっぱりそうですよね。
親しくなりたいって思った人とだけ
連絡先交換したいですもん｣
｢うんうん｣
今日の俺はどうかしてるのか。
それとも肉食系女子にアテられて萎えてるのか。
普段だったらここで、
俺たち気が合うね、連絡先交換しよう
って切り出してる頃なのに。
なんだかAちゃんにはそれが出来ない。
どうしてだ。
俺たちはそのまま席に戻った。
友人達は連絡先の交換も終わって、
二次会の話をしていた。
二次会なんてとてもじゃないけど行く気になれない。
適当に理由をつけて帰ることにした。
ふと、俺と同じように身支度をしている
Aちゃんが目に入った。
彼女もきっと一次会で帰るのだろう。
と、彼女がカバンから取り出した
和柄のポーチが目に付いた。
なかなか見かけない柄、デザイン。
｢Aちゃん、そのポーチいいね｣
仕事柄つい気になってしまう。
｢あ、これですか？ありがとうございます。
これ私が作ったんですよ｣
そういえばAちゃんは
和裁士の仕事をしてるって言ってたな。
｢そうなんだ、さすがだね。
デザインも可愛いし、その生地と柄もいいね｣
｢これ、私が反物から作ったんです｣
｢反物から？ちょっとAちゃん、
俺今度、着物のデザインを考えててさ･･･
よかったら反物について色々教えて欲しいな｣
そう言って俺は名刺を取り出して
Aちゃんに手渡す。
｢もちろん。反物を作る過程にも携わっているので
もしかしたらお役に立てるかもしれないです｣
Aちゃんは嬉しそうに笑って名刺を受け取る。
それから自分のカバンの中から名刺を取り出して
渡してくれた。
｢じゃあ連絡するね｣
一次会はこれで解散。
二次会に行く人、帰る人と各々散り散りになった。
俺はAちゃんに軽く声をかけて
その場をあとにする。
帰り道、貰った名刺をふと裏返してみれば
そこには携帯番号が書いてあった。
｢これ･･････｣
翌日俺は名刺を片手に携帯を握った。
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年4月21日 2時
