mareへの招待状 01(弟) ページ43
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賑わう街。
いつもとは少し違う雰囲気。
その理由は海軍の基地でイベントがあるからだ。
｢流石に潜水艦の中は無理だよね･･･｣
パンフレットの注意書きを見て私は小さくため息。
見れないことは100も承知なんだけど、
少しだけ期待もあった。
でも他にもたくさんイベントが開かれていて、
基地内には普段見られない展示や
海軍の人が歩いている。
｢えっと･･･次はどこに行こうかな･･･｣
お腹も空いたし･･･あっ海軍飯なんていいかも、
そんな事を考えながらパンフレットに
視線を落としていれば･･･
ドンッ
｢きゃっ｣
｢うわっ｣
誰かとぶつかってしまい慌てて視線をあげて謝る。
｢｢すみません！｣｣
･･･！！
視線をあげた先には制服に身を包んだ海軍の男性が。
がっしりとした肩、厚い胸板、いかつい顔。
何より目をひいたのが太陽の光に輝く赤い髪。
その出で立ちに思わず見とれてしまう。
｢すみません、大丈夫でしたか？｣
｢へ？あ･･･っ、大丈夫、･･･です｣
ぽけーっとしていたせいだろう。
心配そうに男性が顔を覗き込んでくる。
私の返事を聞いて安心したような表情を
浮かべたその顔が、いかつい顔立ちと
あまりにもギャップがあり
私は思わず胸を高鳴らせた。
｢前見てなくて、どこか痛い所とかないですか？｣
｢そんな、私こそパンフレットに夢中で･･･
ご飯、何食べようとか、何見ようとか夢中で･･･｣
私、何言ってんだろ。
舞い上がってしまい、男性からすれば
どうでもいいことをペラペラと話してしまった。
｢あっ、じゃあ私はこれで･･･｣
｢待って！･･･ご飯まだなんですよね、
お詫びにご馳走させてください｣
思ってもみなかった展開。
これは夢なのだろうか。
｢いえ･･･そんな、私も悪かったので･･･｣
｢･･････なら、ご飯、
一緒に付き合ってもらってもいいですか？｣
男性は少し考えるように顎に手を当て、
ニッコリと優しい笑みを浮かべた。
そのズルすぎる表情と提案に
もう私は首を縦に振るしかなかった。
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年4月21日 2時
