首ったけ 01(乙) ページ30
ｰｰｰｰ
｢おついちさんっ｣
｢･･････！？｣
Aが同窓会って言ってたから
迎えに来たんだけどお店から出てきた彼女に
目を奪われた。
｢おついちさん？･･･おーい｣
目の前でAが不思議そうにしてる。
だってね、ヒール履いてるの。
普段ペタンコの靴しか履かないAが。
しかもパンツスタイルが多いのに今日はワンピース。
裾からスラッと伸びた足。
細い足首が映えるヒール。
緩く巻かれた髪。
普段と違う彼女に俺の心臓はドキドキが止まらない。
｢あぁ、ごめん。今日の格好、すごく似合ってるよ｣
｢え？そうかな･･･ありがとうございます｣
照れているのか嬉しそうに口元に手を当てて笑う姿が可愛い。
Aを乗せ家に向かって車を走らせる。
｢ねぇ、A。ちょっと寄り道していい？｣
｢ん？いいよ？｣
車で向かったのは海沿いの公園。
風邪が涼しくて気持ちいい。
その風になびいて揺れるAのワンピース。
普段見ない姿にたまらず手を握った。
｢いつものAも好きだけど
今日のAも可愛くて好き｣
｢えっ･･･どうしたの、いきなり｣
｢だって今日ヒール履いてるし、
髪巻いてるしワンピースだし｣
いつもと違う恋人見てドキドキするとか、
俺もまだまだ乙女だねぇ。
｢ふふっ｣
おかしそうにするAにやんわり手を握られる。
｢ここぞって時にはこういう格好するんですよ？
それに･･･｣
ふいに手を引かれたかと思えば耳元にAの顔。
｢私だっておついちさんが
いつもと違う格好してたらドキドキしますよ｣
そう言って恥ずかしそうに背を向けたA。
たまらず後ろから抱き締めた。
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年4月21日 2時
