profumo 01(乙) ページ20
ｰｰｰｰ
｢あれ？A、なんかタバコの匂いする｣
ふと、友だちが呟いた言葉。
｢あ、たしかに･･･｣
鼻に服を近づければたしかにタバコの香り。
｢誰か吸ってたっけ｣
不思議そうにする友だちとは逆に
私の心は少しドキドキした。
｢おついちさん｣
｢ん？｣
私を足の間に座らせて雑誌を読んでる彼を見上げた。
胸元に頭をおけばふわりとタバコの香り。
｢今日、友だちにタバコの匂いするって言われた｣
｢あ、ごめんね。やだった？｣
その言葉に私は顔を横に振って胸元に顔を埋める。
｢ううん、ドキドキしちゃった｣
だっておついちさんの香りするなんて･･･
｢なにそれ、可愛い｣
そう言って頬をつつかれる。
さっきまでタバコを吸ってたからか、
手からは微かにタバコの香りがする。
｢だって、一緒にいるわけじゃないのに
おついちさんの匂いするなんて･･･｣
そのまま抱きつけば温もりと香りに包まれて、
細くてしっかりした腕が私の体を包み込んだ。
｢俺からもAの匂いするのかな｣
｢うーん･･･私は香水とかつけないし･･･｣
｢でもいい匂いするよ｣
｢え？なんだろ･･･柔軟剤かな｣
普段香水や匂い付きのハンドクリームは
つけないから検討もつかない。
おついちさんはにっこりと笑って
私の首元に顔を埋めた。
｢ううん、Aの匂い。いい匂いだよ、
甘くて優しくて可愛い匂い｣
そう言いながら顔を上げたおついちさんと
コツンと額がくっつく。
それから鼻先がくっついて･･･
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年4月21日 2時
