恋の年頃 01(弟) ページ2
ｰｰｰｰ
｢おおきくなったら、おとじゃくんの
およめさんになる！｣
｢おれりっぱなだんなさんになる！｣
小さい頃、そんなことを毎日のように言ってた
弟者とA。
2人も高校生になり、俺は
成長を見守る母のような気分に浸っている。
新しい高校生活がスタート。
それなのに2人は浮かない顔をしてた。
｢なんだよ、君たち。元気ないじゃん｣
｢だってさ、Aと同じクラスじゃないんだよ｣
それに続いてAも口を開く。
｢ずっと一緒のクラスだったのに･･･
休み時間しか会えないよ｣
｢･･････｣
2人の言葉に少し唖然としてしまった。
｢休み時間になるたびに会ってるの？｣
｢｢うん｣｣
俺の言葉を代弁してくれたのはおっつん。
おっつんも俺と同じように
2人を母のような心でみているんだろう。
綺麗にハモった返事に苦笑している。
｢いやいや、でもさ、今までにも
男女別の授業とかあったでしょ？｣
｢あったけど、隣のグラウンドとかだったから
授業中も話せたし｣
｢うんうん｣
ほんとこいつら･･･
なんで付き合ってないんだ･･････。
腑に落ちないのはこの2人がまだ自分たちを
親友だと思い違いをしていることだ。
2人はいつものように弟者の部屋に入っていった。
取り残された俺たちは
あまりのピュアさと鈍感さに
小さくため息をついた。
｢兄、あの2人いつになったら付き合うのさ｣
｢あれじゃ、一生無理だろ。
誰がどう見ても付き合ってておかしくないのに｣
その時廊下から2人がバタバタとやってきた。
｢ねぇねぇ、すごいいい事思いついた！｣
この2人の言ういい事が
とってもいい事だったことなんてない。
｢私が、弟者くんに手紙書くの｣
｢それで俺が休み時間に取りに行くんだ！｣
･･････
｢･････････うん、それで？｣
｢｢え？｣｣
しばらく静まり返るリビング。
(しょーもなっ！)
｢君たち遠距離恋愛中の恋人だね｣
呆れて言葉にならない俺の横で
おっつんが大爆笑しながら言葉を返した。
｢10分間の休みでも一緒にいたいって言うし
手紙書くって言うし、休み時間のたびに
会いに行くなんて･･･熱愛中のカップルでも
そこまでできないよ｣
返事がない。
不思議に思って2人の顔を見たら･･･
真っ赤。
(嘘だろ･･･)
この反応もしかして、今初めて意識したのか？
これは･･････
｢先が思いやられるね、兄者くん･･･｣
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年4月21日 2時
