二つ結び 01(兄) ページ1
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｢おかしいよ！｣
｢ほんとおかしいから！チェンジ！｣
私たちの異論は却下。
交流会で二人三脚をやることになった。
せっかく新しい学校、新しいクラスで
新しい友達ができると思ったのに･･･。
｢どうして私のペアが兄者なの？！｣
｢それはこっちのセリフだから！凸凹すぎるんだよ｣
｢好きでこの身長じゃないから！｣
そえ、私の身長はちょっとサバ読んでも
150センチの小人。
対する兄者は180センチオーバーの巨人。
兄者とは幼なじみで腐れ縁。
幼稚園から今の今までずっと同じ学校。
そんな私たちのやり取りを周りは面白おかしく
眺めているんだろう。
誰も私たちの意見に乗ってきてくれない。
｢しょうがないなぁ･･･
兄者、足引っ張らないでよ？｣
｢Aこそ、俺に引きずられんなよ？｣
憎ったらしいな、ほんとこの人･･･！
私たちは練習をすることなく交流会当日を迎えた。
｢･･････僅差だね｣
｢拮抗してるな｣
相手チームとはいい勝負。
｢おい、A｣
｢うん、わかってる｣
｢｢負けられない｣｣
火がついてしまった。
兄者は私の肩に腕を回して
私は兄者の腰に腕を回してスタートを切った。
息はピッタリ。
他を寄せ付けない走りでぶっちぎりの一位。
｢やった！｣
｢やったー！兄者やった！｣
ゴールテープを切った私たちは嬉しさのあまり
抱き合おうとした瞬間･･･
｢！！？｣
結ばれた足が引っかかって抱き合ったまま
倒れ込む。
｢あ、ごめん･･･｣
目の前には兄者の顔。
｢･･････う、うん｣
あれ･･･私なんで照れくさくなってるの･･･
兄者、なんで顔赤くしてるの･･･
やめてよ！恥ずかしくなるから！
｢もう！早くのいてよ！｣
｢んなこと言ったって足が･･･っ｣
なんなの、もう！
ドキドキするなんて･･･意味がわかんない
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年4月21日 2時
