心に棲むもの 01(乙) ページ50
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「A行くよー」
「あ、待って。連絡しなきゃ」
親友に名前を呼ばれながらも
私は慌ててスマホを取り出した。
「誰に連絡?」
「彼氏」
「あっ!あのカッコイイ彼氏?羨ましいなー」
(彼氏を褒められるって嬉しいな・・・)
今日はサークルの飲み会。
照れくさい気持ちでおついちさんに
今から行く店の名前と店のURL、
帰る予定の時間を連絡する。
(あっ、そうだ。飲みに行くメンバーも
忘れずに連絡しないと・・・)
「・・・・・・ねぇ、A」
「ん?」
連絡をし終えて顔を上げると
親友は微妙な表情をしていた。
「それさ、毎回送ってんの?」
「?・・・うん、出かける時はいつもだよ。
どうしたの?」
「・・・あ、いや。マメだなーって」
「そうかな?」
そんなことないと思うけどなぁ。
「あっ、ごめんちょっと電話してくるね」
「はいはーい」
私はスマホを持って店を出る。
『 A?』
「うん、予定通り23時には解散になると思うよ」
『 そっか。店まで迎えに行くよ』
「え?大丈夫だよ?終電で帰るまだあるし」
『 いや、行く。23時に店の前出てきてて?』
「ありがとう、わかった。じゃあまた後でね」
店の中に戻れば、二次会の話で盛り上がってた。
「あっAも二次会行くでしょ?
センパイがオシャレなバーに
連れてってくれるって」
「ごめん、私23時に迎えが来るから帰らなきゃ」
「そうなの?いいじゃん今日くらいさ」
押しの強い友人にたじろぐ。
その後から親友が顔を出し、半ば無理やり
私の隣に座ってくる。
「A、迎えって彼氏?」
「うん、迎えに来てくれるみたい」
「・・・・・・Aの彼氏ってさ、
結構束縛するんだね」
「束縛?そうかな」
私の反応に親友は微妙な顔。
「まぁ本人達がいいならいいんだけどさ・・・」
「あ、おついちさん」
時間ちょうど。店を出たらおついちさんが
車から降りてきた。
「じゃあ、私ここで。お疲れ様〜」
メンバーに手を振って
おついちさんのそばに駆け寄る。
おついちさんはサークルメンバーに
視線を向けている。
「・・・・・・おついちさん?」
「ん?なんでもないよ。さ、帰ろ」
「うん・・・」
なんだろ・・・
今、おついちさん、ちょっと怖い顔してた・・・
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時