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【夢でもし逢えたら】07(弟) ページ16

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その日はいつも以上に夜までの時間が長く感じた。


布団に入ってふと、
昨日の夢の中の私たちを思い出した。


どこか距離があるような・・・
私が見る夢の中の私たちの距離よりも
遠いような・・・


でも弟者くんが夢の私に伝えた大切なこと、
ちゃんと受け止めないと。




『A・・・、A』

『ん・・・?』


気付けばそこは弟者くんの部屋。
ソファに座って目を覚ました。


『また会えたな、よかった。
昨日は夢で会えなかったから』

そう言って嬉しそうに笑うから
私も嬉しくなってしまう。

『そうだね、昨日は別の夢の弟者くんに会ったよ』

『別の夢の・・・俺・・・?』

その瞬間、
弟者くんの顔が少しこわばるのがわかった。

『A・・・その、夢の俺、なんか言ってた?』

『うん、私に大切なことを伝えたって。
でも夢の中の私が受け止められなかったみたいで・・・
弟者くん、すごく申し訳なさそうで』

昨日の夢の内容を伝えれば
さっきまでの嬉しそうな顔は消えてしまった。

そして今は昨日の夢の弟者くんと同じ顔。


弟者くんが伝えた大切なこと、
それが何かはわからないけど
ちゃんと受け止められる気がする。


『弟者くん。私、弟者くんが私に伝えた
大切なこと、ちゃんと聞きたい。
もう一度、言ってくれないかな。
今度は受け止められるから』

私の言葉に弟者くんは戸惑っているようで
言おうとして開いた口を閉じ、
また開いては閉じ・・・。


『A・・・その言葉、信じていいのか?』

『うん、もう逃げたりしないよ』

真剣な眼差しに応えるように深く頷く。


『・・・・・・夢で会うのはもう終わりにしたい』


ズキッと胸が痛んだ。
だけど、受け止めると決めたから、
今逃げたら前と同じ・・・。

『うん・・・』

弟者くんがそれを願うなら。





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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時

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