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階をあがれ 01(弟) ページ22

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弟者先輩は私の憧れの人。

入学式で初めて見た時から頭から離れない。

そんな弟者先輩と今部室で二人きり。


「A、そっちどんな感じ?」

「もうすぐで終わりますよ」

「そっか、じゃあ終わったらお昼食べようぜ」

「はい!」


今は新入生歓迎会の準備中。

準備係になった私たちは春休みを利用して
部室の飾り付けに勤しんでいる。


「弟者先輩、できました!」

私の手には色とりどりのペーパーポンポン。

「おぉ!すっごい可愛い、それ!
そんなの作れるんだ、A器用だよね」

「えっ、そんなこと、ないです・・・」

こんなに眩しい笑顔を向けられて
照れない女子はいないでしょ。

「お昼食べたら飾ろっか」

「そうですね」




天気もいいし暖かいからお昼は屋上で食べることに。

階段を登ってドアを開ければふわりと柔らかい風。

「あったかいですね」

「昼寝したくなるな」


そんな会話をしながらお弁当を広げた。





「お腹もいっぱいになったし、じゃおやすみ〜」

「だ、だめですよ先輩っ!」

「なんてな!ほら、A行こう」

「もー・・・」

普段と違って誰もいない屋上。

弟者先輩と二人きり。

静かな学校。



なんだか特別な感じがして嬉しくなる。





「Aこっち頼む」

「はーい」

作っておいたガーランドやペーパーチェーンを
壁に貼り付けていく。

「A大丈夫?上は俺がつけるから」

「ありがとうございます、じゃあこれを・・・」

ガーランドを渡そうと振り返った時、
足元の椅子が揺れた。


「わっ」

「Aっ!」

落ちちゃうっ・・・!!





あれ?

落ちてない・・・


「・・・・・・」

絶対に椅子から落ちたと思ったのに
体への衝撃がない。

恐る恐る目を開ければ・・・

目の前に弟者先輩の顔が。

バランスを崩した私を抱きとめてくれたみたい。


「あっ、わっ、すすすみません!」

「痛いところない?大丈夫?」

「だ、だい大丈夫です、大丈夫です!
すみません!」

弟者先輩はパニックになる私を笑って
頭を撫でてくれた。

「Aって意外におっちょこちょいなんだな」


「!!」


静まれ私の心臓

ドキドキしてるの伝わっちゃう・・・

弟者先輩も早く離して


好きなのがバレちゃうから!



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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時

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