【無題】05 (ページ7)

今日:13 hit、昨日:12 hit、合計:113,441 hit

【仮面はここに置いていく】03(弟) ページ7

ｰｰｰｰ

次の日俺はスケジュールを見直すため
Aちゃんにつきっきりになることを説明した。

Aちゃんは不思議そうな顔をしてたけど
拒否はされなかったからまぁ大丈夫だろう。

｢まずは勉強か･･･｣

横で見ていれば、明らかに学校の教科書じゃない。
それに学年とも合ってない気が･･･

｢もしかしてそれって予習的な？｣

｢自習に近いですね･･･。学校の授業で習うことは
もう終わっちゃったので｣

随分真面目なんだな･･･
将来大統領にでもなる気なのか？

｢そこまで勉強してるならちょっとくらい
休んでもいいんじゃない？｣

俺の言葉にAちゃんの手が止まる。

｢･･････いい点取らないと両親は喜ばないので｣

いい点って･･･。
そこまでやってんなら学校のテストは満点だろ。

疑問が残りながらも深くは突っ込まないようにした。

お稽古は先生とするレッスンが半分、
残り半分は自主練習。

｢自主練もそこまで詰めてやらなくても･･･｣

返事は勉強の時と一緒だった。

｢Aちゃん、今度一緒に外に遊びに行こうよ｣

夕食の時、切り出してみた。

｢･･･外に、ですか？｣

今まで見たことないくらい驚いた顔、と言っても
わかりにくいのに変わりはないけど。

｢うん、勉強も稽古も
ひと段落ついたタイミングでいいからさ。
俺も協力するよ｣

｢･･･はぁ。｣

歯切れの悪い返事。
でも拒否の言葉は出てこない。

俺、お世話係でしょ。
買い物とかお出かけとか教えてあげるのも
仕事でしょ！

そう言って少し強引に納得してもらった。

その晩、二人でスケジュールを組み直した。
どうやらこのスケジュール、時間はAちゃんが
自分で決めていたらしい。

自由時間が存在しないスケジュール。

(この子･･･)

きっと、勉強と稽古以外
あんまりやってこなかったんだろうな･･･。
だから空き時間に何をすればいいかわからなくて
こんなスケジュールに。

よし、俺がいっぱい楽しいこと教えてあげよう！

ｰｰｰｰ