【仮面はここに置いていく】11(弟) ページ46
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両親は娘が心配で俺を雇って
でも俺の契約は今日までで・・・
「え、あの・・・それって・・・」
混乱しているのはAちゃんも一緒みたい。
「弟者さん、これからも娘をよろしくお願いします」
「色んなところに連れて行って、
沢山の経験をさせてあげてくれ」
こんな風に言われるなんて想像もしていなかった。
娘にまるで関心のなさそうな両親。
でも実は娘のためにと俺を雇って・・・。
やっぱり両親は両親なりに考えてるんだよな。
「は、はい!もちろんです!」
俺は大きく頷く。
「弟者さん・・・!」
両親の言葉にAちゃんは嬉しそうに俺を見つめた。
「Aちゃん、よく頑張ったね。
しっかり気持ち伝えられて良かった」
そう言って頭を撫でればいつもの笑顔を浮かべてくれた。
「ほら、理解してくれたご両親にもお礼を言わなきゃ」
「お父さん、お母さん。ありがとうございます」
その瞬間、今まで堅苦しかった雰囲気が
一気に柔らかくなった気がした。
食事の後、俺は改めてご両親にお礼を伝えてから
Aちゃんの部屋に向かった。
「弟者さん、私、上手く伝えられましたか?」
「うん、納得してくれてたし。ほんと、頑張ったね」
嬉しそうに笑ったAちゃんが
少し恥ずかしそうにしながら服の裾を握ってきた。
「あの・・・これからもよろしくお願いします」
「もちろん、俺の方こそよろしくね」
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年2月3日 0時