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3月6日は弟の日 01(弟) ページ44

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「ねーおついちさんお願いっ!」

「もうダメだって言ってんじゃん」

「そこをなんとか、お願いします!!!」

「しょうがないなぁ・・・」


あ、よく見る光景。



「兄者ー助けてー!」

「いやいやいや、無理だって!」

「マジやばいって兄者ぁあ!」

「お前っ、ほんと・・・!」


あらら、またやってる。







「弟者くんって甘えるの上手だよね」

「え?そうかな」

「うん、よく見かけるよ」


不思議そうな顔をする彼。

(もしかして無意識なの?弟気質ってこういうこと?)


「私あんまり甘えるのって得意じゃないから
羨ましいなぁ・・・」

「そうなの?じゃあ俺に甘えるのも
遠慮したりする?」

突然抱き寄せられて慌てて彼の胸元に手をつく。

「う、・・・うん。なんにも考えずに、は無理だなぁ。
今甘えてもいい雰囲気かなとか、
タイミングとか見ちゃう。」

私の言葉に驚く弟者くん。

「えっ?!A今まで俺に甘えてくれてた時
そういう事考えてからやってたの?!」

「うん。だって甘えられたくないタイミングだったら
やでしょ?」

その言葉に体に回された腕に力が入り、
ぎゅっと引き寄せられた。


「もーやだA。
そんなこと考えないでよ。
Aが甘えてくれるの、いつでも嬉しいんだよ?」

そんな事言われてもなぁ・・・。

「そういうの考えなくていいから
甘えたい時に甘えてほしいな。
ね、A」

そう言いながら弟者くんは首元に顔をすり寄せる。

(これが何も考えずに甘えるってことなんだろうなぁ)

少し体を離して両手で弟者くんの頬を包んで
こちらを向かせた。

「A・・・?」

「私が甘えたくなった時、いつでも受け止めてくれる?」

ちょこんと首を傾げてじっと見つめてみる。

(これはさすがにやり過ぎたかも・・・)

そう思ったけど、
私の感覚と弟者くんの感覚は違ったみたい。

顔を真っ赤にした弟者くんに再び抱き寄せられた。

「わっ」

「その顔だめだってA・・・。すっごいドキってした」

ハァ、と息をついた弟者くんは私の頬に手を添えて
軽く唇を重ねた。

「A、今度から甘える時は
さっきみたいにして?すっごく可愛かったから」

ね、お願い!とでも言うように見つめられたら
断れるわけがない。

「・・・たまにだけだからね」


やっぱり無意識ってタチが悪い。




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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年2月3日 0時

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