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「Aはさ、兄者のことどう思ってる?」

隣の部屋で俺と弟者は息を殺して耳をすます。

「兄者さんですか?好きです、すごく」


「!?」

Aの今までの言動から、
気持ちを隠すもんだと思っていた俺は
サラリと答えられたことに驚いた。

それは弟者も同じだったらしくお互い顔を見合わせる。


「そうなんだ。俺から見てもAと兄者って
すごいお似合いだと思うよ」

「そうですか?・・・ふふ、嬉しい」


Aの本心が知れてちょっと嬉しくなる反面、
ならなぜ逃げるんだという疑問が浮かぶ。


「兄者からは、話あったりするの?」

ナイスおっつん!


「あるんですけどね・・・・・・」

けど?なんだ。
切り出し方か?ムードか?場所か?

「自信、ないんです・・・」

「自信?」

「私なんかが、兄者さんと付き合ってもいいのかなって」

なんだ・・・心配して損した・・・。
そんなことか。

「兄者さんのこと幸せにできるかなって」

「はぁ?!」

あ・・・

「えっ・・・」

「兄者っ」

「あーぁ・・・」

思ってもみなかった言葉に思わず声が出た。

驚くAの声と慌てた弟者の声、
呆れたおっつんの声が同時に聞こえる。

もう隠せないし、
ここでハッキリさせないと男が廃るだろ。


ドアを開けてリビングに入る。
案の定Aはびっくりした顔で俺を見上げている。

「Aごめん。全然気持ちがわかんなくて
おっつんに頼んで聞いてもらったんだ」

「そうだったんだ・・・びっくりした」

「まぁ、あとは二人に任せて俺たちは退散するね。
弟者くん、ほら行くよ」

「ま、待って!行くから」

出てくるかどうか迷っていた弟者を連れて
おっつんは家を出ていった。

・・・さて。

「A、逃げてる自覚はあったんだな」

「さすがにあるよ。今までごめんなさい」

申し訳なさそうに頭を下げるA。

「いや、本音が知れてよかった。
これで気兼ねなく付き合えるな」

「え、でも・・・私やっぱり兄者さんを
幸せにできるかわからないし・・・」

何言ってんだ。

「俺がAを幸せにするからいいんだよ。
俺がお前を選んだんだ、自信ないとか言わせないぞ」

「・・・・・・そうだね、そうだよね。
私なに不安に思ってたんだろ・・・。
兄者さん、ずっと待っててくれてありがとう」

「当たり前だろ。
A、付き合ってくれるよな」

「もちろん」

そう言ってAは大きく頷いてニッコリ笑った。





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【仮面はここに置いていく】01(弟)→←δ Hy 01(兄)



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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年2月3日 0時

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