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三碧木星は春、東に 01(兄) ページ24

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「先輩、これ。」

「ん?あー、ありがとう」

兄者先輩に部活の日誌を渡す。

部活紹介で見かけた兄者先輩に一目惚れをした私は
この部のマネージャーになった。

初めは、先輩とたくさん話せて楽しい学生生活!
なんて思ってたけど実際そんなことはなくって
マネージャーって思ってた以上に大変。

でも兄者先輩にありがとうって
言ってもらえるのが嬉しくて頑張れる。


そんなに要領がいい訳じゃないから
ちょっと遅くなっちゃうのが申し訳ない。

「A、これ」

「え・・・」

兄者さんから手渡されたのはキャンディ。

「あげる」

「ありがとうございます」

手の中のキャンディを見つめる。


(先輩からもらっちゃった・・・!)

「何、他の味がよかった?」

「いや、そういう訳じゃ」

おかしそうにする兄者先輩。

(やっぱりカッコイイなぁ・・・)



口元に手を当てて笑う姿もカッコイイ。
でも、私なんかが釣り合うわけもない。

教室の前を通った時に綺麗な人と話してたのみたし。


(まぁ、私はマネージャーとしてそばにいれれば・・・)


「A、ここ。違う気が」

「えっほんとですか?!ごめんなさい」


(やだ、間違いなんて恥ずかしい・・・)

迷惑かけないように早く直さなきゃ、と
兄者先輩の手元の日誌を覗き込んだ。

「ほら、ここ」

「ほんとだ!すぐ直しま・・・」

顔をあげれば思った以上に
兄者先輩の顔が近くにあった。

「・・・!!」

慌てて顔を反らして
何事も無かったように間違ってた箇所を修正。

(きっと先輩は何にも気にしてないんだろうな・・・)






「遅くなってわるかったな」

「いえ、私が間違ってたから」

修正にちょっと時間がかかってしまった。


「鍵は俺が締めて帰るからAは先帰りな」

「そんな、私が締めて帰りますから・・・」

「なら鍵戻してくるから待ってて、一緒に帰ろう」

(へ・・・?)

ポン、と頭を軽く撫でて
先輩は職員室に鍵を返しに行った。





こんなのずるい・・・




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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年2月3日 0時

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