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【バレンタイン】01(乙) ページ18

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「いらっしゃいませ。
はい、こちらですね。
ラッピングのリボンの色はどうなさいますか?」

今日はバレンタインデー。

朝から大忙しでレジから離れることが
出来なかったけど
お昼をすぎてやっと一息つけそうだ。

と、お店のドアが開いた。

「いらっしゃいませ」

そこには綺麗なお姉さん。
その隣には端正な顔立ちのお兄さん。
深めにかぶったハットがとても似合っている。

お姉さんはショーケースの中のチョコを眺め
ドラジェやプラリネをいくつかチョイス。

「リボンの色はどれになさいますか?」

「そうですね・・・オレンジでお願いします」

「かしこまりました」

ラッピングしている間、二人が何か話している。
それだけでもすごく様になっていて
とってもお似合いだ。

(いいなぁ・・・)

それに比べ私はといえば、
本命チョコを渡す相手もいないし
このあとは家に帰るだけ。

(せっかくのイベントなのにな・・・)

もし、チョコが余ったら買って帰って食べようかな
そんなことを考えながらラッピングをして
綺麗なお姉さんに手渡す。

「どうもありがとう」

「ありがとうございました」

お姉さんに微笑まれてちょっとドキドキ。

去り際、帽子のお兄さんと目が合った。
お兄さんはスマートにウインクなんかして
お店を出ていった。

私には、俺の彼女、綺麗でしょ。とでも
言っているようにみえた。


その後の私は、素敵な二人を見れて幸せな気分のまま
仕事をこなした。

閉店時間も近付いてきて、ショーケースには
残り僅かなチョコレート。

少しずつ、売り切れていってもうあとは
オランジェットとロシェがひとつずつ。

もうこうなると売るのは難しい、と少し早いけど
閉店することに。

私は売れ残ったチョコを買って
自分用とはいえ、少しでも可愛く、と
ラッピング用の袋に詰めていればドアの開く音が。

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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年2月3日 0時

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