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｢やっと弟者くんと話せたぁ｣
｢え･･･？｣
｢だって今日、全然喋れなかったから･･･｣
｢そうだな･･･ごめん｣
正直なところ避けてた。
昨日のことがあって気まずかったから。
｢ううん、私の方こそ･･･｣
｢A･･･｣
｢ん？｣
｢俺･･･今日1日Aと話せなかっただけで
すごくもどかしかった。｣
｢うん･･･｣
Aは俺の言葉に耳を傾けて真剣な表情で見つめる。
｢今まではこんな風に思ったことなかったけど
気付かないうちに
すごく近くにいたんだな、って｣
｢私も、･･････。私･･･、もっと弟者くんと
仲良くなりたい･･･｣
Aも俺と同じ気持ちなんだ。
それがわかったらなんだかすごく嬉しくなって
思わずAの手を取った。
｢A、俺もAともっと仲良くなりたい。
もっと二人で色んな所行きたいし、
一緒にゲームもしたいし。｣
一緒にやりたいことがいっぱいあるんだ、
だから･･･
｢俺と付き合ってほしい｣
勇気を出してその言葉を伝えた瞬間、
握ったAの手に力が入るのがわかった。
顔を赤くしながらAは
いつもの笑顔を俺に見せて頷いてくれた。
｢すごく嬉しい･･･。｣
｢A･･･｣
｢お水のおかわりいかがですか？｣
｢うわっ！！｣
｢っ！！｣
｢あっ、失礼しました！｣
突然店員さんに声をかけられて間抜けな声が出た。
俺の声にビックリするA。
謝る店員さん。
なんか、すみません･･･。
ちょっと恥ずかしくなって二人して店を出た。
｢ふふっ、なんかおかしかったね｣
｢あーびっくりした、
まさかあのタイミングでくるなんて
思わないからな｣
あ、そうだ。
｢A、｣
｢なぁに？｣
｢俺たちがさ、付き合えるようになったのって
兄者とおついちさんの
おかげでもあると思うんだ。｣
｢うん、私もそう思う。今日弟者くんと
話せたのも二人のおかげだもんね。
ちゃんとお礼言いたいな｣
｢Aならそう言うと思った。
だからこれからお礼言いに行かない？
どうせあの二人俺んちでゲームしてるから｣
｢いいの？行く！
あ･･･でもいきなり行って迷惑じゃないかな｣
｢全然大丈夫だよ。じゃあ決まりだな！行こう｣
俺はAの手を取った。
小さな手が俺の手を握り返してくる。
兄者たちに自慢してやるんだ！
俺たちは足を揃えて歩き出した。
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作者名：そすんさー | 作成日時：2017年10月13日 22時
