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外に出て灰皿を探してたら聞きなれた声が耳に入った。

(A?)

横目でちらっと見たらAとサークルの男が
話してる。
男の方は食い気味で話してるけど
Aは相変わらずいつもの表情だ。

でも・・・

(あれ、ちょっと困ってんじゃないか?)

少し違和感があって近寄って声掛けてみた。

「A何やってんの?」

「あ、弟者くん」

Aは少し複雑そうな
なんとも言えない顔で俺を見上げる。

チラッと男を見たら気まずそうな顔。

(なんだよこの空気・・・)

明らかにお前口説いてただろ!

「Aこの後前に言ってた店行こうよ、ね?」

前に言ってた店なんてないんだけどな。

「え、あっ、うん」

俺の意図を察してくれたのかAが
コクコクと小さく頷く。

俺達の会話を聞いていた男は
残念そうに皆の輪に戻ってった。

残念だったな!


「Aさっき断れなかったんじゃない?」

俺の言葉にちょっとビックリしたみたいな
顔するA。

いや、そりゃわかるって。
てかなんだよ、そんな顔もできんの?

「えっあ、そう・・・なんか、断るの悪いかなって・・・」

困ったように笑いながら肩をすくめたAに
一瞬俺の時間が止まったような気がした。


これが俗に言う「キュンッてした」ってやつか。


なるほど・・・、じゃなくて
「断るの悪いかなって・・・」ってさ・・・


「悪いかなって思って付き合うの?」

それって言い寄られたら断れなくて付き合うってこと?

なんかちょっとイラついた自分に驚いた。

「それはしないんだけど・・・
どうやって断ればいいかなって・・・
嫌な気持ちにさせたくないし」

Aってとことん優しいのかなんかズレてんのか・・・。

しょうがないな。

「じゃあさ、今度さっきみたいな事あったら俺呼んで?
俺が断ってあげるよ」

「ふふっ、弟者くんなにそれ」

おかしそうに口元に手を当てて小さく笑うA。
あ、いつものAだ。

「Aさっき言ってた店マジで行かない?」

「そのお店私知らないよ?」

「だって言ってないからね」

Aはまた「なにそれ」って笑ってるけど
それは行くって事でいいんだよね。

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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:そすんさー | 作成日時:2017年10月13日 22時

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