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｢じゃ、乾杯｣
本日二回目の乾杯。
軽くグラスを合わせひとくち。
弟者くんが連れてきてくれたお店は
オシャレなバー。
あの頃にはこんな所、来るなんて想像もできなかった。
｢元気してた？｣
｢うん、弟者くんは？｣
｢元気だよ、仕事も楽しいし順調。｣
｢そうなんだ･･･、
すっかり大人になっててビックリしたよ｣
少し緊張しているのか会話が思いつかない。
｢そうかな、Aも･･･うん、ビックリした｣
どうやらお互いが来ることを知らなかったようで
何かたくまれたのか、そんな気もする。
｢隣に座るのって懐かしいな、あの時以来だ｣
｢そうだね、楽しかったよね｣
自然と、高校の時の話になる。
｢あの時俺さ、受験であんまり余裕もなくて･･･
大学が県外になったらAとずっと一緒にいられるか
俺自体に自信がもてなくて｣
初めて聞かされる当時の気持ち。
だってあの時は･･･
｢私が先に進路決まっちゃって、
弟者くんの邪魔しちゃいけないって思ってて｣
｢邪魔なんかじゃないよ｣
｢･･･ん、大学に行く弟者くんの足
引っ張らないようにって思ったら
このまま私と付き合うのって、
弟者くんにとっていいのかな、って考えてて｣
｢なんで言ってくれなかったんだよ｣
そう。
今ならこうしてちゃんと伝えられるのに。
あの時の私はまだまだ子供で。
｢ごめんね、喧嘩とかしたくなかったんだ。
だから、卒業と同時に･･･
弟者くんが県外に行っちゃうのと同時に･･･｣
別れを切り出した。
｢俺は･･････、Aの嫌なことはしたくないから。
Aがそう言うなら･･･それに離れ離れになって
寂しい思いさせたくないから･･･｣
だからあの時、深く聞かずに頷いてくれたんだね。
｢ふふ･･･やっぱり今でも私、
弟者くんには敵わないみたい｣
もう、今更だけど。
ずっとずっと大好きだった。
｢A･･･。今Aがどこで、
どんな生活してるのかわからない。
でも俺･･････
やっぱり諦められない、Aのこと｣
｢え･･･｣
トーンを落としたライトの下、うっすら見える表情。
しっかりと私を捕らえる瞳。
｢今なら、絶対にAのこと幸せにできる。
だから･･････、俺とやり直してくれないか｣
私だって。
今なら自分の気持ち隠さずに伝えられる。
弟者くんを支えることも･･･
ずっと一緒にいることも･･･
｢弟者くん、私もう一度やり直したい｣
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【水着】キラキラ輝く 01(兄)→←memoire 01(弟)
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年7月22日 23時
