今日はこのまま 01(弟) ページ17
ｰｰｰｰ
｢あつー･･･｣
シャワーを浴び終えた俺は
冷房のかかったリビングで冷えたお茶を飲み干した。
Aの分も、とコップにお茶を注ぎ、
冷蔵庫に入れる。
今日は俺の家にAが泊まりに来ている。
付き合って半年。
お泊まりは初めてじゃないが、
その度に緊張してしまう。
｢弟者くん、お風呂ありがとう〜｣
少し濡れた髪を拭きながら出てきたA。
｢あ、うん。A、お茶入れといたよ｣
さっき冷蔵庫に入れて置いたコップを手渡す。
｢ありがとう｣
微笑むAを直視できない。
だって、大きめのTシャツ。
そこから伸びる素足。
そのTシャツは俺のだし、
ちょっと広めの首元から見える鎖骨とかうなじとか
なんかもう色々、だめ。
見れない。
この姿も初めてな訳じゃない。
泊まりに来る度Aは俺の部屋着を着ている。
なのに未だに慣れないし、慣れたくない気もする。
少し涼しんだAは髪を乾かしに洗面所へ。
俺の短い髪はタオルで拭いておけば
自然に乾いてくれる。
先に寝室に向かえば
部屋の中はムッと熱気がこもっていた。
エアコンをつけ、快適な環境を作る。
昨日の夜は緊張してなかなか眠れなかったせいか
今日は既に眠い。
Aが髪を乾かし終わるまでちょっとだけ、と
ベッドに寝転がったのを最後に
俺の意識は途切れてしまった。
｢う"ーん･･･｣
体に感じる重さに意識が浮上する。
(あれ･･･俺･･････、！！！)
寝てしまったことに気づき
慌てて体を起こそうと目を開いた所に
Aの笑い声が聞こえてきた。
｢あ、起きた？｣
｢A･･･？｣
体に感じた重さはAが俺の体の上に
乗っかっていたからのようだ。
｢弟者くん疲れてた？寝てるからびっくりしちゃった｣
｢ごめん、寝るつもりはなかったんだけど｣
｢ううん、いいよ。寝顔見れたし｣
レアだね、と笑うAに胸がときめく。
じゃれるように俺の胸元に顔を擦り寄せる様子が
可愛くて背中に腕を回して、足を絡めた。
そのまま体勢を入れ替えて俺の下で
少し恥ずかしそうにするAの額にキス。
｢弟者くん、電気消して･･･？｣
｢あぁ｣
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年7月22日 23時
