夏のあつさ 01(兄) ページ16
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今日は兄者さんとデートの日。
いつもより気合を入れてメイクして、
髪もスタイリングして、服も･･･
｢よしっ｣
完璧！
待ち合わせ場所には既に兄者さんがいた。
周りよりも頭一つ高い身長。
涼し気な顔立ち。
目をひかないわけがない。
周りを通りすぎる女の子達がチラチラと
横目で見ては色めき立ってる。
そんなことに全く気づいてないのか、
兄者さんは携帯のディスプレイをガン見。
その様子を見ながら私は手に持った携帯で
メッセージを送る。
『もうすぐ着くよ！』
すぐに既読になるメッセージ。
それを見て私の表情は緩みそうになる。
(私からの連絡が来ないか、ずっと見てる･･･)
分かってしまえば、あんなにカッコイイ兄者さんが
可愛く思えてくる。
同時に周りで色めき立っている女の子達に対しての
優越感が生まれた。
少し駆け足気味で兄者さんに駆け寄り、
見せつけるように距離を詰めて腕に触れる。
｢兄者さんっ、おまたせ！｣
なに、彼女連れ？
あーあ･･･残念
そんな声を背中に感じるけど悪い気なんて
ひとつもしない。
｢おー、待った待った。どこ行く？｣
｢待たせちゃったから今日は兄者さんが
行きたいところにお供しますっ｣
｢いい心がけだな｣
そう言ってポン、と頭に手を置き微笑む彼。
(あ〜だめ、その顔。外でしないで、みんなが見ちゃう)
特別な顔は私だけに見せて欲しい、なんて
ワガママかな。
｢ちょっと本屋行く。そんで、ご飯食べて
ゲーセンも｣
｢うんうん、いいですよ〜じゃ、行こっか｣
兄者さんの手が差し出され、私は腕に回した手を
その手に重ねた。
大きな手に包み込まれるように繋がれた手。
歩き出した兄者さんの隣に着いて、並んで歩く。
暑さでお互いの体温も上がっているのか
いつも以上に感じる兄者さんの体温。
兄者さんも同じように感じてくれてるのかな。
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作者名：そすんさー | 作成日時：2018年7月22日 23時
