お隣さん 01(乙) ページ14
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「ねぇ、別れよう」
私は目の前でご飯を食べている彼に声をかけた。
「は?なんで?」
「わかるでしょ、何回浮気したの?」
「もう終わっただろ。
終わった話掘り返すとかめんどくさい奴だな」
この人とは話にならない。
何度も繰り返される浮気にうんざりしていた私は
別れ話を切り出した。
だけど終わったことだろ、
の一点張りで本題が進まない。
「うん、終わった浮気の話はもういいの。
今日はあなたと別れるための話をしに来たの」
「いや、なんで別れなきゃいけないんだよ」
「・・・・・・」
相変わらず進まない話。
彼はといえば面倒くさそうな顔をして
トイレへ行くと席を立った。
「はぁ・・・・・・」
小さくため息。
頭の中はどうやったら別れてくれるのだろう、
そればかり。
「あの、」
突然隣の人に声をかけられた。
「・・・はい?」
視線を向けるとそこにはタバコを片手に持った
男性が座っていた。
その顔はなんだか気まずそうだ。
「他人が口出しするのもどうかと思うけど・・・
本気で別れた方がいいよ。
相手の話に合わせる必要ないから、
別れるって言って帰りな?」
「・・・・・・」
なんなんだろう、この人。
他人の別れ話に助言をしてくれるなんて
余程お人好しなのか・・・それとも
同性から見てもよっぽど
ろくな人間じゃないということなのか・・・
「そうですよね・・・ズルズルしちゃダメですよね」
他人にも言われちゃうなんて、
私よっぽど下手くそな別れ話してたんだ・・・。
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年7月22日 23時