わたし《いちごみるくさんリク》 ページ31
て「A〜、まだ〜?」
「まだ」
て「A〜」
「あと1分!」
て「長い〜!!長い長い長い長い!!」
「うるさいなぁもう笑」
仕方なくさっきまで見ていたYouTubeの画面を閉じ、床でじたばたする前髪無い人を踏んづけて玄関へ向かう。
あーあ、水溜りボンドのスペシャルドラマええとこやったのになぁ。
て「ふぎゃあ!!!」
「ふん」
て「可愛い」
「あ?」
ドアを開くと、ぬるりとその間を縫って生暖かい風が入り込んできた。
こんなに日差しが強いならせめて湿気はもっと少なくたっていいんじゃないか。
周りに誰もいないことを言い訳にそう文句を零せば、財布を持ったてっちゃんが半開きのドアをそっと後ろから押す。
て「湿気すごいね」
「…やっぱやめとく?コンビニなんかいつでも行けるよ」
て「今行くの〜。Aにも何か買ったげるから行こ」
「…しゃーないなぁ」
て「んふふ、行こっか」
満足気に笑うてっちゃんに背中を押された途端、私の頭の中は既にてっちゃんに何を買ってもらうかで一杯になっていて、
コンビニに近付くにつれて軽くなっていく足取りに苦笑い。
でも、コンビニってワクワクするもんねぇ、しゃーないよねぇ。
…そんなことより早く帰って水溜りボンド見ないと。
ちょっとだけ意識して早歩きをすると、置いていかれたてっちゃんが私の手を取って指を絡めてくる。
「ねぇ手汗ぇ!!!!」
て「そこはごめんだけど手は繋がせて!!」
「意味分からん!!」
て「おねがいっ♡」
「…チッ…」
て「え!?」
てっちゃんがなかなか手を離そうとしないので、それをぐいぐい引っ張ってコンビニへ急ぐ。
…あれ、自分何でこんなに焦ってるんやろ。
額から滲む汗はきっとこの気温と湿度のせいじゃない。
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て「A速いよぉ」
「ん、?…ごめん」
て「めちゃくちゃ汗かいてるよ、大丈夫?」
「自分の心配もした方が良いと思う」
て「…ほんとだ、めちゃくちゃ汗かいてるやん俺」
て「拭って?」
「汚い」
て「こらっ!!!」
「ふへ」
て「笑うな!!笑」
「てっちゃんも笑ってるやん笑」
て「…今俺たちめっちゃカップルに見えることない?」コソッ
「ない」
て「心がズタズタだぜ」
わたし《いちごみるくさんリク》【てつやside】※事故の表現あり→←【土下座】てつやが何かお願いしています
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むめ(プロフ) - 優さん» ありがとうございます(;▽;)嬉しいです(;▽;)更新めちゃくちゃゆっくりですが、どうぞお付き合いください(;▽;) (2019年1月2日 20時) (レス) id: 31725d356a (このIDを非表示/違反報告)
優 - めちゃくちゃ好みの作品です!更新頑張って下さい!応援してます! (2018年12月28日 14時) (レス) id: b364b26750 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - むめさん» 全然大丈夫です! (2018年9月9日 21時) (レス) id: d9dc425cfd (このIDを非表示/違反報告)
むめ(プロフ) - いちごみるくさん» リク了解しました!!ドラマとかそんな感じでも大丈夫でしょうか...??( ´艸`) (2018年9月9日 16時) (レス) id: 31725d356a (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - リクエストいいですか?てつやと2人で買い物に行って車が赤なのに突っ込んできて、てつやがひかれそうなところをたすけて代わりに引かれてしまう、そして記憶喪失になる的なのできますか?記憶はそのうち取り戻す的な感じで、お願いします! (2018年8月28日 20時) (レス) id: d9dc425cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むめ | 作成日時:2018年6月15日 1時