YouTuberの友達です。 5 【東海オンエア】

悲しいときは【としみつside】《名無しさんリク》 ページ4

【としみつセーリなのかな】



【としみつ機嫌悪かったよね】



【なんか嫌な雰囲気だったな、としみつ怒ってた？っぽいし】



と「…お前らに何が分かんだよ」



携帯に向かって1人でぼそっと呟いた。



いつもより少し口数が少なければ【生理】だの【怒ってる】だの。



本当の俺の性格なんか知ってるわけないのに、一部の視聴者は俺のことを好き勝手言っている。



初めは気にしないようにしていたが、俺だって人間だ。



結局、たまにこういうコメントを見つけては1人で落ち込む、の繰り返し。



じゃあそもそも見んなよって感じだけど。



「としくん、？」



と「ん？」



「どっか痛い…？」



と「え？…あ、」



気が付けば携帯の画面には水滴が落ちてて、俺今泣いてるんだ、って。



Aが心配そうに俺を覗き込む。



恥ずかしいよな、Aの前で。



「大丈夫？」



と「目に睫毛入った」



「鏡いる？」



と「や、大丈夫、ありがと」



Aには悪いけど、適当に嘘をついて誤魔化しておいた。



変に心配させたくないし。



すると、Aが俺にハンカチを渡して優しく微笑む。



「私、としくん優しいって知ってる」



と「なに？急に。笑」



「としくんキレんやん、全然」



と「えぇ、俺めっちゃキレると思うけどな」



「私は全然キレへんと思うけど」



と「キレるって、俺！！」



「…ね、そういうこと」



と「…ん？どういうこと？」



おバカさん、って笑いながらAは俺の携帯を奪って机に置いた。



俺を捉える瞳はとても真っ直ぐで、目には見えない確かな何かがその奥に秘められている、そんな気がした。



「ものさしの長さなんて、人それぞれでしょって」



と「…ねぇ、俺と結婚しない？」



「しません〜笑」



冗談めかしく微笑むAは俺の心と胃袋だけでなく、俺の涙腺も掴んでいるらしい。



…ちょっと意味わからんけどまぁいいや。



Aは強し。



━━━━━━━━



「価値観の押し付けはありがた迷惑」



と「ありがたいん？」



「他人のことは知れるからね、私は一応ありがたいと思ってる」



と「かっけぇなぁ、A」



「ありがと」



と「好きだよ」



「私も」



と「……。」



「としくんが言ったんやろ、自分で照れんとって笑」



と「照れてるかわかんねぇだろ！」



「なにそのすごい悪用の仕方！！！」

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