YouTuberの友達です。 5 【東海オンエア】

曇り【りょうside】 ページ42

「お邪魔します…」



り「あ。Aだー」



「やほ」



いつものように、玄関のドアが開く音と律儀に挨拶をする声が聞こえる。



ただ、声のトーンはいつもとは明らかに違っていた。



Aの声のトーンが低くなる原因は2つ、怒っているか落ち込むようなことがあったとき。



そんな様子も見て取れなかったのか、Aが来たことに喜ぶテンション爆上げてつやがAに飛びつく。



て「Aー！！！！！！」



「うざい」



案の定Aは顔を顰めててつやのグリグリスリスリ攻撃を振り払った。



てつや風呂入ってないのに汚いんだよなぁ。



さすがに嫌われちゃう。笑



て「冷たいなー、久しぶりに会ったのに！」



「確かに久しぶり」



り「てつや編集いっぱいサボってたもんね」



て「おい嘘をつくな！！むしろAと会った時ゆっくりしたいから頑張ってたぞ！！」



「じゃあいっぱい遊べるやん」



て「なにこの子可愛すぎ」



り「早く向こう行くよ笑」



Aに更にベタベタになるてつやを引きずってリビングへ。



Aは学期末のテストがあってここ1週間会えなかったのは勿論、連絡もあまりできなかった。



携帯の電源オフにしてたらしいからね。



A偉い。



て「あ、Aテストどうだったの？」



やっとAから離れたてつやがふとAにそう尋ねる。



しかし、Aからの返事は返ってこない。



て「…これ聞いちゃダメなやつだった？」



り「ほんとバカ」



て「えええ！Aごめん！！！」



「ううん、もうテスト終わったからええよ」



り「お疲れ様だね」



「ほんまにね」



俯くAの頭を撫でると、Aは弱々しい笑顔をこちらに向けた。



少し影のある瞳に思わず吸い込まれそうになる。



て「ねぇ、俺は？」



り「キモいよ」



て「りょうとAの間入れて」



り「やだよ」



「てっちゃん風呂入ってへんやろ、臭い」



て「バレたかぁ」



「はよ入って笑」



て「洗ってくれる？」



「…ちゃんと服着てよ」



て「！？おっっしゃぁぁ！！！」



るんるんで風呂場へ向かったてつやを見送って、Aは呆れた表情をして立ち上がった。



Aの方がてつやよりよっぽど大人だ。



り「A、無理しないでね」



「後でりょうくんに癒してもらお」



り「うん。早くおいで」



「へへ、楽しみ」



り「待ってる」



「…りょうくんありがとう」



り「こちらこそ」

やった→←寝るな

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す