227話 ページ44
高いビルから見下ろすカイロの街並みは夜にも関わらず、明るく照らしている。
桐谷「これじゃ
ビルの屋上に桐谷は立っている。
ただその髪は白く、ラー・アメンを精霊として体内に納める前の姿で、
普段のワイシャツにベストとと違い、白いタートルネックに黒いロングコートを着ている。
ズボンの両側にはウォレットチェーンをつけて、首に巻いたストールが風でたなびく。
⁇「人間は嫌いだが、こういう貪欲でタフネスなのは嫌いじゃない…。」
桐谷の隣で男性がタバコの煙を吐く。
目元がジェゼルに似ている。
桐谷「とか言いつつも人間の味方をするじゃないか。
なぁ…？ ラー。」
ラー「黙れ。」
桐谷ははいはいと笑う。
桐谷「でもこうして話すのは何年ぶりだよ？」
ラー「………。
お前が殺されて人間に転生する前からだから相当長いことあそこに閉じこもってたということは自覚あるな…。」
側から見れば久しく会う同級生のような雰囲気だ。
ずっと近くにいたからこそ、こうして距離が少しある方が話しやすい。
ラー「別に我はマガイ教に入っても文句は言わなかったんだがなぁ…。」
また煙を吐く。
今度は輪っかだ。
桐谷「それをやったら元も子もないだろ。(苦笑)」
人間の味方である筈の神がそんなこと言うなとツッコミが入る。
桐谷「………、遅ぇよテメェら。」
ラー「これは揃いも揃って満身創痍だな。」
二柱の神が後ろを振り向く。
その視線の先にはスペルビアを含めた7人だ。
中には子供の姿の者もいる。
しかし7人と言うのは正しくない。
全員、元人間は居ても人間ではないからである。
桐谷「特に酷ぇのはイラだな。」
イラ「面目ございません。」
スペ「ハッ‼」
イラ「ンだよテメェ‼?」
⁇「フフ…、相変わらず2人とも仲が良いのね…。(微笑)」
男性に抱えられながら笑う妖艶な女性。
⁇「えぇ〜？ これ見てそれ今言っちゃう⁇
イラは姐さんの従兄弟なんだから止めちゃいなよ〜⁇」
呆れながら言う幼女。
⁇「というか止めないとアイツが怒るぞ。」
妖艶な女性を抱える男性。
興味無いとタバコを蒸す。
ラー「面倒くせぇな…。」
ダルそうにする太陽神。
桐谷「あんましやってと消すぞ？」
桐谷は美しい笑みを浮かべる。
2人はピタリと止まる。
それは桐谷が美しい笑みを見て見惚れたわけでは決してない。
断じてそれはない。
彼は有言実行型、戦鎚を構えている。
スペ/イラ「「(汗)」」
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作者名：not厨二病者 | 作成日時：2020年3月30日 18時
