【Im～イム～】白翼の乙女《第6章》 (ページ37)

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221話ページ37

…

近くの公園のベンチで屋台で買ったものを食べる。
ちゃんと空丸君には猫用の物だ。

空丸「良かったのですか？」

桐谷「君はお店には入れないだろう？
　まぁ、それに昔の知り合いがいるのも事実だしね。」

これを食べ終わったら会うか。

空丸君も食べ終わったようで、少し歩く。

路地裏を通って貧民街に入れば、ゴミがかなり多い。
ちょっと鼻をつまみたい。アヌビス君と同じように鼻が効く空丸君はもっと辛いのだろう。

視線を辺りに巡らせば先ほど見つけた知り合いがいた。

桐谷「やぁ‼」

⁇「Σ(ﾋﾞｸｯ)」

ハハハ、幽霊を見たような顔をしちゃって…。

桐谷「こんなところで何やってんだい？
　君達には仕事を重要な任しただろうに…。」

そうすれば、目の前の男は申し訳なさそうにする。

空丸「この男は一体何者ですか？」

⁇「ね、猫が喋った…⁉
　この世界(・・)で⁉」

おい、驚くなよ。
確かにこの世界で人語を話せる動物ていうのは限られるからな。

桐谷「紹介しよう。我が妹の眷属よ。
　こいつは神獣。そして俺の眷属だ。」

⁇「この猫が…、あの方の眷属…。」

拾った本人はたまたま超能力が使える普通の猫だと思ってるんだろうけど。

⁇「お初にお目にかかる。私の名は《スペルビア》だ。」
空丸「どうも空丸です。
　ていうか！俺が主の眷属⁉」

おや、こいつも自覚なしかよ。

桐谷「彼奴は知らなかったようだけど、君もスペルビアと同じ神獣___魔力を持ってるんだ。
　しかも君のは超能力ではなく、彼奴から何かしらの魔力を持っているんだよ。」

めっちゃビックリしてんじゃん。

桐谷「で、スペルビア。何でお前がここにいんだ？
　もう1人の彼奴の神獣と一緒に封印を守るように言いつけた筈だ。」

スペルビアが跪く。

スペ「申し訳ありません。
　封印が解かれ、彼女がこの世界に逃げ込んでしまったのです。」

はっ⁉

桐谷「おい待て。アレが解かれただと⁉
　しかもあの女がこの世界に⁉」

スペ「はい。イラは既に追跡を開始していますが、こちらに来る前に既にギリシア・ローマ全滅。
　私は貴方様方、もしくは万が一に子孫がいた場合も含めて探しておりました。
　髪色や魔力の質が変わってしまわれたので、気付きませんでした。」

桐谷「それに関しては色々事情があったんだ。
　封印を解かれたとなるとヤバいぞ。マガイにこの世界を破壊されるよりも前に破壊し尽くすぞ、あの女は‼」

手段は選べねぇ…。