218話 ページ34
桐谷side
うーん、我が弟子がなにかをやらかしてる気がするぞ〜、うーん。
今、俺達はキザの3大ピラミッドを見ています。
稲羽君がチップをせびられていたが…。
近くでツアーガイドさんが説明しているのが聞こえる。
「かつて未曾有の大災厄に見舞われ
一度は滅びかけた王国を立ち直らせたのがこのクフ王でした。
以来、歴代の
権威と国の勢力を他国に示し、長きにわたる古代エジプト王国の繁栄を
今なお残しているのです。」
ナイル川を南下したとこにもトゥト・アンク・アメンやラムセス2世のもあったな。
墓参りはしてないけど。←
イム「……。」
俺達が壊したものは、良い王も悪い王も歴代の王達が民を導いて国を守ってきたんだよな。
まぁ、本当は俺も神託とか時に大神官として裏で政治を回したこともあったけどね。
イム「シン、王に挨拶するぞ。」
桐谷「ハイハイ。」
「「アアルの野に転生し御霊に…
太陽の君々に栄光と称賛を」」
こうして跪くのは何年ぶりだろうな…。
もし俺らがいなくても、魂の宿命なんてなかったら……
万が一に
そして俺が遠くから見守るのは
ジェゼル…、お前だったんだろうな…。
桐谷「あり？陽乃芽、何泣きそうな顔してんだ？」
気づけば陽乃芽が俺達を見ていた。
イム「王墓を建てるのは宰相の最後の役目。」
桐谷「王に仕える従者として最後の面倒までを見るなんて、な？
こんなでっかいモン維持費が大変そう。手の凝ってる奴は対泥棒用の罠あるし。」
ちなみに罠考案は俺です。
楽しかった。
イム「お前らは異国の出身であったからな。
現代のお前達には理解に遠きことだろうが、己の仕えた王の墓を誠に至極誉れなことなのだ。」
ピラミッドを見つめる。
確かに歴代の宰相達は必死こいて、技術者呼んで人呼んで設計図を描いていたな。
自分の王の権力は素晴らしく、こんなにも民に慕われていて
偉大な王であったと…
桐谷「羨ましいか？イム。」
イム「ああ。少し。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：not厨二病者 | 作成日時：2020年3月30日 18時
