194話 ページ3
一方そんなことがあった頃、羽羽方邸では……
桐谷「寝る。」
陽乃芽「え、あ、うん。」
陽乃芽は桐谷が左目を眼帯していることに気づく。
陽乃芽「あれ？ 左目どうしたの？」
桐谷「…別に、古傷が痛むから義眼を外しただけだ。
用はそれだけか？」
陽乃芽「うん…。」
桐谷の様子がおかしい、そう感じた陽乃芽。
リビングを出る桐谷を見る。
イム「……。」
・
イムホテプは桐谷の寝室に静かに入る。
その手にはそっと杖が握られている。
イムホテプは意を決し、振りかぶる。
だが、それを下すことはなかった。
いや、降ろせなかった。
桐谷「……何のつもりだ、小僧？
これは我に対して無礼であるぞ？」
イム「無礼など構うもんか‼。
その体は俺の友の物だ‼ 貴様、何者ぞ‼?」
桐谷いや桐谷の中の者がため息をつく。
桐谷(？)「はぁ、あいつは3000年前も今も中々愛されているようで良かったな。
それはそれとして、我が何者かという問いに答えよう。
我は神々の頂点に立つ神王、初代エジプトの
要は君の主人のジェゼルの先祖であり、桐谷の精霊だ。」
そこまで言われて、イムホテプは目の前の正体に気づき叫び声を上げる。
「はぁあああああああああああああ‼?」
桐谷(ラー)(部屋に防音の魔法かけておいて良かった…。)
イム「お、お前が…⁉
では、シンは何処に…⁉」
桐谷(ラー)「あー、確かコンスとかいう小僧に会ってくると言って魂の状態で出かけたな。今は妹にとりついてるんじゃないか？」
イムホテプは一瞬、桐谷に馬鹿じゃねぇの??と思ってしまったが逆に好機と見た。
イム「ラー・アメン神。いくつか聞きたいことがある。」
桐谷(ラー)「……なんだ？」
大きく息を吸い、気持ちを整える。
イム「地獄に封じられていたものはなんぞ？」
桐谷(ラー)は黙る。
しかしそれは何か考えてるようだった。
桐谷(ラー)「………あぁ、そうか。
お前は覚えてないのか。」
イム(覚えてない…？)
桐谷(ラー)「そうだなぁ…、
俺とこの体の持ち主とその妹の友人とでも言っておこう。」
イム(シンとヘテプの友人…？)
イム「ならシンとヘテプは何者だ⁉」
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作者名：not厨二病者 | 作成日時：2020年3月30日 18時
