暗黙の了解 (ページ3)

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「…あと一週間。」

とある国から宣戦布告をされた。
要約すればニ週間後にこの国を戴く。という手紙を二週間前受け取った。

…馬鹿か。

今はその準備中。

今回だけは問題があった。

兵士の数ではなく、兵糧でもない。

武器のこと。

最近は改造された武器が増えているらしい。

改造された武器を使われたらこちらの死者数がとんでもない数になるだろう。

…え？ならこっちも改造された武器を使えばいいって?

それができればいいんだよなぁ…。

砂糖がたっぷり入った甘ったるいココアを手紙に目を通しながら飲んだ。

こっちが改造された武器を使わないのは世界各国で『改造された武器を使ってはいけない』という暗黙の了解があるから。

違法ではないが、世界各国からは冷めた目で見られたり、同盟を切るられたりすることがある。

それだけは避けたかった。

頬杖をついていると扉が開いた。

すると艶のある黒い髪の毛とタンザナイトの宝石のような瞳を持った彼が見えた。

「Nakamu」
「あ、きんときじゃん」

ケーキくれんの？だなんて冗談で言ってみる。

「書類は？」

ケーキくれんの？という言葉は無視され、仕事をしているのかと問われた。

ええ、してますとも。ちゃんとしてますよ。

頭の中でそう言いながら「ちゃんとやってますぅ。」と煽るように笑った。

するときんときは「ならいいよ、あとでケーキあげる。」と言って、書類を一枚手に取り確認した。

どうだ、今回はちゃんと目を通したし、誤字脱字もない。
ドヤ顔をしながら書類を見るきんときを見た。
そしてきんときは

「____武器屋から武器を買う？」
と俺に聞く。

「そうだけどなんかあった？」

「このご時世、改造も流行ってるらしいからちゃんと調べなきゃ駄目だよ」

「わーってる、それにあとでシャケとかに見せるからさ」

「…ならいいけど。」

もし何かあったら言ってよ。

そう言い残すときんときは部屋から出て行った。

まあでも、この武器屋を呼んだのはすべて罠なのだが。
彼女が武器を改造して売る捌いているのはもあわかり切っていることだから。