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七話 ふき ページ7

食べ終わってお会計の時、自分の分くらいは払おうとしたら、僕が誘ったんだしいいよと言われてご馳走になってしまった。
財布からお金を出した時、まさか偽札?あとで葉っぱに戻るんじゃないのかと思って、執拗に触って確かめたけど、本物だったみたいで椿さんに呆れられた。

どうやって稼いでるんだろう?その姿でバイトでもしてるのかな?全く想像つかないけど…

遅くなってしまったし送るよと言われて、確かに先程外であった騒動のことも気になるし、甘えさせてもらった。

家までの道すがら、椿さんと並んで歩く。カラカラと下駄の歩く音が新鮮で、本当に時代に合わない人だなあと独りごちる。

すると私が持っていた本屋の袋に目が着いたらしく

「それなんの本?」
「月刊モーですよ。部活のために買ってきました」
「部活?なにか入ってるの?」
「オカルト研究会です」

そういうとめちゃくちゃ引いた顔をされた。
なんで?!椿さんもオカルトでしょうが!!

「まあ、そういうお年頃だもんね…」
「ちょっと!私を厨二病扱いしないでくれます?!現に目の前にオカルトいるんですから!」
「え…僕オカルトなの…」

そして今度は傷ついた顔でしょんぼりする。ああ、もう!めんどくさい人だな!

「まあ椿さんの場合、未確認生物とか言うより妖怪の類だと思ってますけど」

UMA(未確認生物)ではないと思う。だって、こうして私と会話をしている。私によって、椿さんの存在というのは確定してしまっているので、本当にオカルトと呼べるかどうかは分からない。

「触れるし」

椿さんの手を取り、きゅっと握る。

「生きてる」

息をしてる。つまりそれは心臓が動いて血液を送っているということ。怪我すれば血は出るし、体を動かせば筋肉が動いて痛くなる。ほぼ人間に近い妖怪。

この稀有な存在が、オカルト研究同好会にまで入れさせるほど私に興味を引かせているのだろうか。それとも、私が興味あるのは椿さん自身にだろうか。

「本当に妖怪、なんですか?」
「……あんまり僕のこと詮索しちゃだめだよ」
「え…?」

甘くとろける声で、私の耳元で囁く。握っている手が、少し冷たい気がした。


するといつの間にか家の前まで来ていたようで、

「ほら、家はここでしょ?お母さんに怒られないうちにお帰り」

「う、うん。じゃあ、おやすみなさい椿さん」

「おやすみ、あやめ」

少しのわだかまりを残しながら、その日は椿さんと別れた。

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設定タグ:サーヴァンプ , 椿 , 憂鬱組   
作品ジャンル:アニメ
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南条(プロフ) - 彩弥 Ayamiさん» コメントありがとうございます!気に入って頂けて嬉しいです。更新頑張って行こうと思います〜! (2020年11月4日 23時) (レス) id: 97d2c6287f (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - コメント失礼します…。やっぱり椿は可愛くてかっこいいですよね…♪ニヤニヤしながら読ませていただきました(笑)更新楽しみにしてますね! (2020年10月31日 20時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:南条 | 作成日時:2020年6月3日 11時

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