二十六話 だんぎく ページ26
＊
｢うーんなんであやめ最近付き合い悪いんだろう｣
椿は面白くなさそうに、ソファでゴロゴロしながらうなだれる。文化祭のあとから、なぜか付き合いが悪くなったあやめに対し、椿はいまいち理由がわからず、どうしたらと感じていた。
するとヒガンがいつものように煙草をふかしながら、近づいてくる。
｢そりゃあれだろ怖くなったんだろう｣
｢は？何それ｣
ヒガンがさも当然のように答えるので、椿はまずイラっとした。
｢妖怪と吸血鬼じゃ心構え変わるっしょ？｣
その言葉の意味が分からない椿では無い。
ヒガンは椿が今まで黙っていたモノを易々とバラしたということだ。
｢ヒガン、僕キレるよ｣
椿の怒りは即頂点に達した。
ヒガンの首をギリギリと締め付ける。手加減なんてしてやれるほど、椿は優しくない。
ヒガンは、呼吸に苦しみながらも反論する。
｢ぐっ……いつまでそうやって、黙ってるつもりだ？お嬢ちゃんが真実を知る権利は、あるさ。椿の個人感情で黙っておくには、お嬢ちゃんに失礼だ。
大丈夫、あのことは言ってないから。あとは自分で言いな。｣
ゆるゆると手に込める力を緩める。
椿は図星をつかれたような居心地の悪さを感じた。
｢…ヒガンのくせによく僕に指図できるね｣
｢俺ぁどっちも心配なだけさ｣
――巻き込みたくないなら、もうあの嬢ちゃんを近づけさせるな
ヒガンの言葉がいつになくズッシリと椿にのしかかる。
｢…… ｣
椿はぐっと拳を握り閉め、そして手の力を抜く。
あー面白くない
そう小さくつぶやいて、開いた窓からおもむろに飛び降りた。
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南条(プロフ) - 彩弥 Ayamiさん» コメントありがとうございます！気に入って頂けて嬉しいです。更新頑張って行こうと思います〜！ (2020年11月4日 23時) (
レス) id: 97d2c6287f (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - コメント失礼します…。やっぱり椿は可愛くてかっこいいですよね…♪ニヤニヤしながら読ませていただきました(笑)更新楽しみにしてますね！ (2020年10月31日 20時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：南条 | 作成日時：2020年6月3日 11時
