二十四話 われもこう ページ24
文化祭を終えるとすぐに期末テストが始まり、私は程々に勉強して、平均点くらいは貰えた。普段からぼちぼち勉強しているタイプなのでそこまで必死にならなくても大丈夫だった。
そしてその期末テストが終われば、私たち学生にやってくるイベントは、夏休みだ。
___
「前期決算…もといお互いの研究結果発表会と行きましょうか」
「わー!パチパチパチ」
夏休み目前のとある放課後、オカルト研究同好会は部室にて2人だけの発表会が執り行われた。
露木先輩は、忙しい生徒会の仕事の合間をぬって研究を積み重ねていたらしい。部室であまり一緒に活動はできていなかったから、どんな発表なのか本当に楽しみだ。
「どちらからしますか?」
「それじゃあ私から!」
そうして私は、今までにわかったことや特に妖狐や九尾といった狐についてをまとめた模造紙で発表をした。
*
「なかなか上手く纏められていましたね」
「えへへありがとうございます」
生徒会の人から褒められると素直に嬉しい。あとはこうしたほうがいいとか今後の研究の方向性やここを掘り下げたらどうだというアドバイスをもらってから、ようやく露木先輩の発表に移る。
先輩はパソコンとプロジェクターを繋いで壁に映し出すらしい。生徒会って本当になんでも許されるんだな…
露木先輩の発表テーマは吸血鬼の生態という深く掘り下げたものだった。
おそらく専門用語がいろいろ飛び交って、あまり頭に入って来なかったけど、それでも大まかにわかったことといえば、吸血鬼とは始祖から作り出されたものであり、その生態は未だに研究段階で完全にはわかっていないということ。
露木先輩がまるで本当に吸血鬼で実験しているかのような口ぶりで話すものだから、私は思わず
「先輩ってもしかして極秘組織の工作員なんですか?」
と冗談で聞けば、先輩はメガネを光らせ
「そうだと言ったら?」
と真面目にボケ返してきたので、
「外国の映画みたいでスリリングですね」
と笑っておいた。
露木先輩って真面目ボケをするタイプなので面白い人だ。
___
だけど私は、露木先輩の発表を聞いてからなんだか喉に魚の骨が刺さったような違和感を感じていた。
なんだろう、自分でも分からない。
何かのピースが上手くハマらない感じ。
モヤモヤと考え込んでいると、私のスマホの通知音がなった。
ヒガンさんからのメッセージだ。
―――そして後にこの違和感の正体を教えてくれたのは、ヒガンさんだった。
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南条(プロフ) - 彩弥 Ayamiさん» コメントありがとうございます!気に入って頂けて嬉しいです。更新頑張って行こうと思います〜! (2020年11月4日 23時) (レス) id: 97d2c6287f (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - コメント失礼します…。やっぱり椿は可愛くてかっこいいですよね…♪ニヤニヤしながら読ませていただきました(笑)更新楽しみにしてますね! (2020年10月31日 20時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:南条 | 作成日時:2020年6月3日 11時