平凡少女、遭遇する ページ3
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私の家は寂れた神社だ。無駄に大きく、兄妹がとても多い。みんなとても個性豊かでとっても可愛い自慢の妹、弟たちだ
しかし、私はこの兄妹たちの一番上であるのだが凡人である
この子たちのおかげで考え方の視野が広がったが、そこらへんに転がっている石も同然。個性なんて何一つ持っていない
つまり、影が薄いのだ。よく忘れられる
そんな私なんだけど、いつも通りの帰宅道を一人寂しく歩いていたとき
真っ黒い毛並みの狐がぐったりとしているのを発見した。可愛い
無論、持ち帰った
その日は狐がバレないようにと変に緊張してしまい、家族に笑われてしまった
しかし、私はそんなことくらいでへこまない
「狐って何たべるんだろう」
ベットの毛布の上で休ませている狐を撫でながら考えるが、全くわからない
適当に油揚げでいっか
雑だが、私は小4だ。狐が食べるものなんて知らない。適当でいいんだ適当で
油揚げを取りに行こうと立ち上がったとき、狐が弱々しくないた
__コン
うっすらと瞼を持ち上げ、キョロキョロと辺りを見渡す狐。撫でてやると気持ちがいいのか、もっとと言うようにすり寄ってくる
しばらく撫でても飽きないふわふわな触り心地に私は心を奪われた
のだが…
「いつまで撫で続けるつもり」
____は?
狐がしゃべった
「…はあ。最近あっち側の所有地に力のあるものがいなくなっちゃって疲れてたんだよねえ
こっちは逆に居すぎて役目ないし…この先も安泰なのは目に見えてわかるんだから、一人くらい貰っていいよね」
何言ってるのこの狐!?
咄嗟に手を離そうとしたが、私の手の甲に乗っかり肩までよじ登ろうとしてくる
腕を上下に揺らし、狐を落とそうとするが中々落ちない
「ちょっと、大人しくしてよ!どうせこの世界に未練なんてないんでしょ?
むしろ生きる意味を見出だせていない君はこっちの世界で一からリセットしてやり直せばいいじゃん!!!」
勝手なことを言う狐だ。確かに私は存在意義を見出だせていないから否定はしないけど
「そう簡単に変われないよ…」
狐から顔を背きながら告げるが、狐はため息をつき馬鹿馬鹿しいと笑う
「変わろうと努力してないくせに?現実から目を背けて何もかも忘れようとしてるくせに?
まあいいや。一回あっち側の世界で暮らしてみてから決めてよ」
狐は尻尾を軽く揺らすと、私の顔面へと振り下ろした
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鴉(プロフ) - はらさん» すみませんでした。教えてくださりありがとうございます!! (2018年5月5日 19時) (レス) id: 61a0148b8e (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月5日 19時) (レス) id: c2f00cb7a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鴉 | 作成日時:2018年5月5日 18時