第6話 ページ8
ブーッ、ブーッ
携帯のバイブ音が鳴る
この音…真琴先輩からだ
しかも電話だし
「ちょっと電話してくる」
「おう」
携帯を持って廊下に出た
「もしもし」
『もしもし?A、俺の鞄にポーチ入れてたでしょ、忘れてる』
「ああ、そう言えば…」
真琴先輩のボタンが取れて、ソーイングセット渡したんだった
しかもそのボタン第2ボタンだったから真琴先輩がくれたし…縫ってないし…
「明後日、忘れないようにしてれば大丈夫だと思います」
『…でも筆箱入ってるよ』
「あー…」
筆箱…いるよね
明日は優姫と勉強会って言ったし
『…持って行こうか?自転車で行けばすぐだし』
「えっ、こんな寒いのに……しかも真琴先輩勉強してるんじゃ…」
『勉強はAに教えてもらうんだから大丈夫だよ、筆箱は困るだろ』
んー…分かるような分からないような
「それだったら私が取りに行きます」
『いや俺が持って…』
「私が…」
『「どうぞ、どうぞ」』←
…息ぴったり!
『あははっ…おもしろ…っ』
真琴先輩、爆笑してる…
…こっちまで嬉しくなっちゃう
「…じゃあ、駅で待ってます」
「うん」
ピッ
ガチャッ
「兄さん、ちょっと出かけて来る」
「…どこにだ?」
「駅に用が出来たの、すぐ帰ってくるよ」
「気を付けろよ」
「うん」
えーっと…コート着て…
あ、歯磨きしてない…
でも…真琴先輩待たせたら悪いし…口臭消しタブレット食べてけば良いか
「行ってきます」
バタンッ
ー数分後ー
寒っ…
コート着てるとはいえこの寒さは…
真琴先輩、まだ来ないと…
「A!」
「はやっ!?」
ええ?!何でこんな早いの…?
自転車で来たにしても早過ぎる
「実はさ、Aに電話してた時、もう家を出てたんだよね」
「えっ…」
じゃあ最初から届けるつもりで…
「はい、筆箱」
「ありがとうございます…」
…何でこんなに優しいんだろう
こんな寒い中を自転車で来て、わざわざ届けてくれた
…多分、私を気遣ってくれたし
寒い中待たないように、行く途中で電話してくれたり…
「ねえ…」
「はい?何でs…」
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チュッ
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