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第38話 ページ42

ー放課後・帰り道ー

ーAsideー

「真琴先輩、いよいよ明後日ですね」

「合同練習の事?…まあ、そうだね多分合同練習の時で最後だと思う、あのプールで泳ぐのは」

そうですね、そう言おうとしたけど止めた

喉元まで出かかった言葉が引っかかり、奥の方へ引っ込んだ

…私は最近どこかおかしい

…優姫が兄さんに告白したって事を知った時から

「…俺が東京行っても、たまに遊びに来てね。一年会わないだけでも寂しくなるかも」

「迷惑じゃなければいつでも……は
無理ですね、夏休みとか?」

「そうだね、俺が迷惑なわけないし
俺の方こそいつでも遊びに来て」

真琴先輩の目を見て話す

そんな事が出来るのもあと少し

…電話での会話とか、メールとかはすると思う

けど、会う回数は確実に少なくなる

「…もちろんです」

「ふふっ、ありがと」

ー同時刻ー

ー優姫sideー

「…っわ?!どうしたの、ヒメ」

「七菜香…ちょっと聞きたい事があるんだけど」

部活を早めに終わらせて、七菜香のいる書道部の部室に来た

私は美術部で七菜香は書道部だから結構待ったけど…

「……やっぱり?…前教えたよね、ヒメには」

私のあだ名はヒメ

ほとんどの人は江野上とかで呼ぶ

だからヒメって呼ぶのは親しい人だけ

つまり、七菜香は親しい人

それが何でかって言うと、前は私とAと七菜香の三人で一緒にいた
から

「私の好きな人、まだ真琴先輩なの」

ヘラッと笑って誤魔化すけど、絶対辛いと思う

「私たちが離れたのって、一年の時の冬頃でしょ?」

…橘先輩とAが付き合い始めた日を境に、私たちは離れてしまった


「うん、やっぱり分かっちゃったね」

「…Aに、言わないの?」

「言うわけないじゃん、ヒメも駄目だよ、言っちゃ」

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作者名:初音ツバキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2015年1月15日 0時

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