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第1話 ページ3

「山崎ー!」

部活中、世良先輩に呼び出された

ウチの陸上部初めから男女一緒に練習する

そのまとめ役が世良先輩

「何でs…」

「呼び出し、行って来い」

言われなくても分かった

世良先輩が親指で指してる方には、
一人の男の子

青いネクタイだから年下かな

きっとまた、同じ内容

「…何ですか?」

分かりきったことだけど、取り敢えず聞いてみた

「あの、俺っ前から山崎先輩の事が好きです!………答えは分かってるんスけど…」

真っ赤な顔で言った後、少し俯く

分かってるなら言わなきゃ良いのに

…なんて冷たい事は思わない

告白ってすごく勇気がいると思うし言った後もモヤモヤすると思う

そんな大変な事をしてくれるんだ

「…理由は分かってると思うけど、ごめんなさい…野崎君」

「えっ、名前知って…」

「…知ってるよ、剣道部の子だよね?」

ただ断るだけじゃ、可哀想かなって思って全校生徒の名前を覚えた

男子だけじゃなく女子も

別に損することは無いから…

「…っ!練習中すんませんっした!」

頭を下げてその子は去っていった

断った理由は2つある

1つはよく知らない相手と付き合うのはあり得ないから

2つめは、私には恋人がいる

「A、もう部活終わったの?」

優しくてかっこいい私の自慢の恋人、真琴先輩

出会ったきっかけは水泳

私が小6の時に初めて会った

兄さんの出る水泳大会で、七瀬先輩と一緒にいたのが真琴先輩

あの時はいつかこうなるなんて思いもしなかったけど…

真琴先輩から告白されて、okした

七瀬先輩と真琴先輩は凛くんの事とも友達だ

なんか、運命みたい…なーんて

そんな乙女チックな思考じゃないからなぁ

「あっ、A先輩!世良先輩が帰って良いって言ってましたよー」

「いつ見てもお似合いですっ!」

…んー…陸上部の子じゃないよね

美術部の子だった気がする…

「ありがとう、バイバイ」

そう言って手を振る

「やっぱりA人気者だねー、何か俺も嬉しくなる」

少し上に目線を向けて、真琴先輩の顔を見た

私は子供の頃から身長が高くて、見上げる人なんて今まで兄さんくらいしかいなかった

だから何か……新鮮かな

女の人はお父さんと似た人を夫に選ぶって言うけど、そんな感じ

お父さんやお母さんより長く過ごしたのは兄さんだったから

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作者名:初音ツバキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2015年1月15日 0時

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