【ＳＥＲＶＡＭＰ】嘘吐き姫【綿貫桜哉】～第二章～ (ページ3)

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僕はページ3

「誰？」

私は急いで海に入り、下半身が見えないようにして、
声がする方へ問う。

？「あっ？桜哉？！もしかして君、この子を助けてくれたの？」

私が陸に引き上げた人間を見て「桜哉」と言ったから、その人間の名前は桜哉なのだろう。
この人間は、声を聞く限りメスか。

とりあえず私はその質問に対して首を縦に振り、
さっき答えてくれなかった質問を再度問う。

「君は、誰？」

私のその声に、人間のメスは慌てて返してきてくれた。

？「あ、私は綿貫。綿貫桜羅。君がさっき助けてくれたこの子の姉。
この子は桜哉っていうの」

綿貫桜羅、桜哉。

「君はメス？」

羅「え？女、だけど」

人間も性別は「女」と「男」なのか、
母め...ちゃんとそうい事も話しておいてくれよ。

羅「ねえ君...人間？」

やっぱり聞かれると思った。
これは母のせいだな、全ては母のせいだ。
でも隠せるものでもないし、早めに言っておくのが無難だろう。

「違う。人魚」

そう答えると、桜羅は嫌悪感を出すわけでもなく、
微笑んだ。

羅「やっぱり」

「へ？」

羅「琥珀色の髪、人魚しか持つことのできない琥珀色の髪。
なんかの本で見たんだ。それも琥珀色はお姫様の印って」

「やめて」

聞きたくなかった。そんな話。
なんで人間が知ってるんだ。
私を知らない種族はいないのか。

羅「...でもね、私はたまたま知ってるけど、知ってる人なんてそうそういないよ？
気を悪くしちゃったかな。ごめんね」

そう言って桜羅はまた微笑んだ。
なんか、初めてな気がする。見るだけで安心するこの微笑みを向けられたのは。
心が温まる。

海の底で冷え切った心が、固まった心が、温まる。
気持ち良い。

「私の名前はね」

この子はもう私の本名も知ってると思う。
だから私は、違う名前を名乗った。

『Aって言うの』