新たな出会い -弐- ページ3
「えっ！？ちょっと！声が大きいです！」
ふぶきは焦って八重の口を塞ぐ。
「おや？まだ隠しておったのか？」
「隠しては無いですけど…変な噂があるの、八重様も知ってますよね？現に今も視線が痛いんです！」
八重の声が聞こえた周りの人が「あれが噂の!?」と好奇心溢れた視線をふぶきに向けている。
「あぁとてつもない美人、とかいうやつか？安心せい、ふぶきは美人じゃよ」
「そういう気休めの言葉が欲しいわけじゃないです…」
「まあまあ、神里に嫁ぐとなればこの程度の噂は仕方ないことじゃ。しかも綾人はなかなか嫁を貰わなかったからの」
「それはそうですけど…」
ふぶきは八重に励まされ、視線を気にしないように娯楽小説を選ぶ。
「にしてもふぶき、以前綾人と恋仲か聞いた時は否定しておったのに…妾に嘘をついておったのか？」
娯楽小説を買い終えた後、八重は悲しそうに言った。
その表情をみたふぶきは焦って訂正する。
「う、嘘なんてついていません！あの時は本当にご友人で！」
「本当か？妾に嘘をついていないのか？」
八重は眉を下げてしょんぼりとする。
「本当です！信じてください！」
ふぶきが必死に説得していると後ろから声が聞こえてきた。
「ふぶきをいじめるのはそれくらいにしてくださいませんか？」
「綾人さん!?」
そこには公務帰りの綾人がいた。
「なんじゃ若造。妾はふぶきをいじめたりせんぞ」
八重は綾人の顔をみるなり嫌そうに顔を歪める。
「こんにちは八重宮司様。でもふぶきが困っていましたよ？」
そう言って綾人は不敵な笑みを浮かべる。
「別に若造に言われることはないわ。妾達は付き合いが長いからのう。なあふぶき？」
八重も不敵な笑みを浮かべてふぶきに視線を向ける。
「えっまあ…？」
突然話を振られたふぶきはうやむやに答えることしか出来ない。
(もしかしてこの2人って相性が悪いの…？)
笑顔で睨み合う2人にふぶきは苦笑いを浮かべることしか出来なかった。
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あっという間にお気に入り登録50人ありがとうございます…！
最近は前作もとても見ていただいていて嬉しい限りです。
そして綾人さんが1年ぶりにイベントに出てきますね…！嬉しい！
フォンテーヌには公務で行くんでしょうか。
休暇を取れていたらいいな。
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作者名：椿 | 作成日時：2023年12月5日 19時
