その雪寄草に、口付けを。 / 神里綾人 (ページ39)

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其ノ参拾陸ページ39

神里様と話す時はほとんど2人でだった。

だから私は神里様が他の人とどんな風に話すのかを知らなかった。

今日、トーマや綾華と話す神里様をみてどこか心の距離を感じてしまったのだ。

まあ共にした時間が違うから当たり前なのだけれど。

でもやっぱり私に対してだけ敬語を使われると神里様との間の壁を感じてしまう。

「当主様は将来の妻に敬語は使わないでしょう？」

先程の神里様の言い回しを真似してみる。

「ふふっ、それもそうですね。では私がAさんに対する敬語を辞めたら私のことを名前で呼んでくれますか？」

「それはもちろん。私が言い出したことですから」

すると神里様は私を試すような笑みを浮かべた。

「じゃあA。私のことを呼んでみてくれるかい？」

「…！え、えっと、あ、あやと、様…？」

け、敬称は様でいいのよね!?

敬語じゃなくなったのに加え突然の呼び捨てに頭が真っ白になる。

「ふぅん、"様"か。少し距離が遠くないかい？」

「えぇ!?いやそんなこと…」

眉を下げてしょんぼり見つめられタジタジになる。

「私はAと対等な関係を築きたいのだよ。なんなら私は敬語もやめて欲しいと思っているよ」

「えっえぇ!?」

さすがにハードルが高すぎる。

綾華だって敬語なのに。

けれど、うりゅりゅ〜とオノマトペが見えてきそうな表情で見つめられる。

この人駄目だわ自分の顔の良さを理解してこんな…！

「………綾人さん」

これでもだいぶ勇気を出したのに綾人さんは「もっと」と表情で訴えてくる。

「も、もう駄目よ！これが限界！」

ぷいっと横を向く。

ちらっと横目で綾人さんをみると満面の笑みを浮かべていた。

「ふふっ。敬語もやめてくれるのかい？嬉しいね」

「だって綾人さんがやめて欲しいって…」

嫌なら戻しますけど。

すると綾人さんは立ち上がって私の後ろへ回り、私を抱きしめた。

「ちょっ…！」

「…愛いね」

綾人さんは私の耳元でそう呟いた。

その瞬間、ぶわっと顔が熱くなるのを感じた。

「ふふっ」

綾人さんは私の肩にぐりぐりと顔を埋めて笑った。

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ver4.2神里綾人さん復刻！

おめでとうございますありがとうございます！

私は前回草薙のみなので絶対に波乱ゲットしようと思います。

やっと黎明綾人さんから卒業です！やったあー！

でもせっかくの復刻なのになんのイベントもなさそうで少し悲しい！