その雪寄草に、口付けを。 / 神里綾人 (ページ32)

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其ノ弐拾玖ページ32

「なんで…そんなに、優しくしてくださるのですか…」

俯き気味にそう言った私をみて神里様は少し首を傾げた。

「好きな女性に優しくするのは当たり前でしょう？」

「で、でも…私たち出会ってからまだ日が浅いですし…」

正直神里様が私のことを好きになってくれた理由が分からない。

「そうですね。でも私はAさんに一目惚れしてしまったんですよ」

「…え？」

照れることなく話す神里様を見てキョトンとしてしまう。

「私はAさんを一目見たときから好きなんです。Aさんは午後しかいないようでしたので午後に時間ができるよう調整もして会いに行っていたんですよ？」

「いつも私に会いに…？」

てっきり子供たちと遊びに来てくれているものだと…

「私はAさんにはずっと笑顔でいて欲しいんです。何せAさんは笑顔でいる時が1番可愛いですから」

「かわ……!?」

可愛いなんていう褒め言葉を言われていない私は一気に顔が熱くなる。

「私はAさんの笑顔を守る為なら何だってします。ですがAさんが望んでくれなければ私は何も出来ません。私に、守られてはくれませんか？」

手を握られ、真剣に見つめられる。

その表情から神里様が本気で言ってくれているということがひしひしと伝わってくる。

「私…やっぱり、なんで私なんかがこんなに神里様に愛してもらえているんだろうって思ってしまいます」

顔を下に向けたままそう言い、神里様の手をギュッと握り返す。

「それに甘えるとか、頼るとかはあまり得意じゃなくて。でも神里様は私に笑顔でいることを望んでて、それくらいなら出来そうだって思えました」

覚悟を決めて顔を上げて神里様の顔を見る。

「だから私はずっと、神里様の隣に居たいです。神里様の隣ならずっと笑顔で居れると思います。私は神里様に、守られたいです」

その言葉を聞いて神里様は嬉しそうに微笑んで私を優しく抱きしめた。

「ずっと隣に居るなんて、当たり前です。離しません。絶対に幸せにしますよ」

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更新遅くなって本当にすみませんでした…。

文化祭の疲労に他界隈のライブに、これまた他界隈のとある出来事で精神的に参ってしまいもう大変でした…。

作者のプロフィール的なところにこれからもしかしたら新しいのを書くかもしれない作品を書いておくので良ければそれをみて察することが出来れば察してください…。