アザレア52輪 【いかないでね】 ページ9
「ふふん、びっくりしたでしょ」
仰向けになっている椿の上に寝そべっている。
椿は、相当驚いたのか口を開けてわなわなと震えていた。
「だめでしょアザレア!こんな事したら＿＿」
あぁ、いつものお説教ね。
そう甘く考えていた。
しかし、それはどうやら間違いだったようで。
「ひゃ!?」
突然椿に腕を引かれて椿の布団の中に入ってしまった。
「……こういう事、されちゃうよ?」
布団の中で、椿がニヤリと笑って、甘い声で低く囁いた。
「は…ッ
放しなさいよ〜!変態!ロリコン狐〜!!」
ジタバタ暴れても、椿にぎゅーっと抱き締められてて抵抗は虚しく更に強く抱きしめられた。
「んん〜!!」
「あはっ、かーわいい。
……どうしたの?眠れないの?」
ピタッ、と抵抗を止めた。
……話そうかしらね、夢の事。
でも、話したところで余計な心配をかけるかもしれない。
今は大事な時期だってのに、ボスである椿に心配掛ける訳にはいかないわ。
「……ねぇ、椿」
呟くように、椿に話し掛けた。
椿は、私の顔を見て、私の心境も知らないで、微笑みながら首を傾げた。
「……椿は、私の前からいなくならない??」
不安で、不安で。
椿が、あの夢のようになってしまわないかと。
だから、きっと、今の私は、とても不安そうな顔をしてしまっている。
目頭がじんわり熱くなって、思わず椿の寝巻きの和服をギュッと掴む。
「……いなくならないよ。
アザレアを独りになんて、絶対させない。
神様に誓ってもね」
椿はそう言って、はにかんだ。
その笑顔を待ってた筈なのに。
私は椿のそういう笑顔が好きな筈なのに。
その笑顔を見た途端、不安が増してしまった。
その笑顔が、後に壊れてゆく予兆となるように見えてしまった。
それが錯覚であって欲しいと願うしかない。
「……そう。
そうよね。んふふっ、ありがと椿っ」
「今日は一緒に寝よっか?」
「うん!」
……あの悪夢が正夢になるとは限らない。
今は、気にしないでおこう。
……今は、ね。
アザレア53輪 【シャムロックの受難】→←アザレア51輪 【悪夢を見た少女は】
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のすと(プロフ) - NaAさん» そう言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます！(^^) (2016年8月19日 20時) (
レス) id: 21d4e6623f (このIDを非表示/違反報告)
のすと(プロフ) - ミクミク@モンブランさん» 椿さんはこの小説ではこういった人(？)となっております(( これからも頑張ります！！ (2016年8月19日 20時) (レス) id: 21d4e6623f (このIDを非表示/違反報告)
NaA - アザレアちゃんが可愛過ぎます！！ (2016年8月19日 20時) (レス) id: 7a5670e3e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミク@モンブラン - 椿さんのキャラ崩壊が面白いですww アザレアちゃん可愛いです！ 連載頑張ってください (2016年8月12日 13時) (レス) id: 7905ae7e8a (このIDを非表示/違反報告)
のすと(プロフ) - 茶々毛さん» 気付きましたか笑 実はちょっと意識して書きました笑 ボスと幼女で真っ先に鴎外さんとエリスちゃんが浮かんで……(( (2016年8月10日 19時) (レス) id: 21d4e6623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のすと | 作成日時：2016年3月14日 16時
