残念度2% ページ3
「コーメイ、仏さんの解剖結果デスクにおいといたから。こりゃややこしいヤマになりそうだよ」
「そうですか、ありがとうございますAさん」
昼休みから帰ってきた高明にメロンパンを咥えながら話しかける
ここ数日は立て続けに変死体が発見されている
同一犯による犯行か、それともただの偶然か
膝に落ちたパン屑を払って立ち上がる
「聞き込み行ってるメンツが帰ってきたら一回情報確認しないとね」
「どこか行かれるんですか?」
上着と鞄を持ったAに向かって高明が問いかける
「現場行ってくる。一時間くらいで帰ります」
「お供しましょう、車出しますよ」
「そう?ありがとう。じゃあ頼もうかな」
現場百回、新人時代から云われ続けていたことだ
部下を持つようになった今も現場大切これ基本
前を歩く高明の背中を見て、くすり、と笑う
高明と敢助とはかれこれ30年くらいなんだかんだいいつつ一緒にいる
「なんですか、人のこと笑って」
少し不機嫌そうな高明が人差指で私の額を押した
「いや、高校くらいの時から変わらないなぁって」
高明と出会ったのは小学校1年の時だったか。クラスが同じで席が隣だったのだ
それと同じくして敢助とも仲良くなったのだが
それからというもの、部活も通学路もあげくには高校、職業まで同じときたものだから
もはや半分兄弟のような存在になってしまった
子供の頃から変わってしまったことはたくさんあるけど
変わらないものが一つでもあればそれでいい
34人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:チューバとシーラカンス | 作成日時:2016年8月13日 14時