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叶わぬ望みとやけ酒と ページ18

・・・

鳴海が帰ってから数分。僕は、ぽっかりと空いた隣と彼女を掴んだ右手を見つめていた。

(なんでまた、彼女のことを……)

一瞬の彼女の悲しそうな表情、それを見たら無意識に彼女の腕を掴んでいた。だから、一番驚いていたのは自分自身で。

「……つくづく面倒な男だな、僕も。」

ため息をつき、彼女を掴んだその手で頭を抱えた。……彼女のハニートラップの言葉が本心であれば──なんて、な。

・・・

降谷さんの家を飛び出して、しばらく走っていた。タクシーで帰るとか言ったけど、元からその気はなくて。

「もうこうなったらやけ酒でもしてやろうかな。明日は午後からだし。」

と、勢いよくスーパーに向かった。もう既に酔ってるけど、今日は酔いつぶれるまで飲んでしまおうとすら思っていた。





店内に入って、迷うことなく缶チューハイのコーナーに向かう。何がウイスキーだ!缶チューハイで十分だわ!……、と思いながら数本買い込む。自分でも認める、若干やけになっていた。

「……あーもう!届かないし!」

「……これですね?はいどうぞ、Aさん。」

「ひゃっ!」

後ろから伸びてきた手にあったのは私が取ろうとしていたお酒。わざわざ顔に当ててきた辺り、彼は相当性格が悪いと思う。

「ふふっ、こんばんは。数週間ぶりですね。」

「す、昴さん……。」

いや、この人心臓に悪いことするの本当やめてほしい。ただでさえ、今日は精神的に疲れてるのに。
微笑みながらも内心何を考えているかわからないこの男は、どこか楽しそうな表情だった。

「すみません、驚かせてしまいましたね……って、……もしかしてAさん酔ってます?」

「え、なんで……」

パシッと缶チューハイを持っている手を掴まれた。思っていたより彼の力は強くて、振り解こうにもビクともしない。



「……ダメですよ、飲み過ぎは。私がご自宅までお送りしますから、そのカゴの中身は置いて帰りましょう。」

「やです!……今日は飲むって決めてたんです。別に、私が何しようと昴さんには関係ないじゃないですか。」

すると、さっきまでご機嫌そうだった昴さんの雰囲気がほんの少しだけ変わった気がした。顔は相変わらず、笑顔のままなのに。


「……Aさん、そんなに飲みたいなら私に付き合ってもらいましょうか。」

普段なら絶対に断る。けど、それができないくらいには私の心はやられていたみたいだ。

変なスイッチ→←……のつもりが。



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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2023年4月27日 22時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 続き書いて (2021年11月11日 19時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
焼きプリン - とても面白くて今日一気見しました!!!続きがとても気になります!楽しみにしてます。頑張ってください! (2021年3月25日 20時) (レス) id: ecb566eb91 (このIDを非表示/違反報告)
す だ(プロフ) - 頑張ってください!たのしみにしてます (2020年7月14日 2時) (レス) id: ebbf33f874 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - 花束さん» ありがとうございます!そう言っていただけると励みになります!頑張ります! (2020年4月24日 12時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月乃 | 作成日時:2019年10月6日 18時

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