梅パ�� ページ25
.
キヨが、凄い速さでAの下に滑り込んで身体を支えた。Aの身体はぐったりとして動かない。
全身の血の気が引いていくのを感じた。
牛「A、A！！」
ラグの上に横たえたAの周りにみんな駆け寄り、頬を軽く叩くがその顔は為すがままに揺れるだけ。
キヨが口元に耳を当てる。
キ「え、息…してる、よな？」
先程の威勢はどこへやら、驚くほど情けない声で狼狽えている。
レトルトが手首を触り、
レ「脈はある、みたいやで」
キ「え、どうしよう、救急車…呼んだ方がいい？」
頭の中が真っ白だ。そうか、救急車…え、命の危険？Aが、いなくなる？嘘だ、そんなの無理だ。
そう思ったら、目から勝手になんか流れ出した。
キ「うっしー、何泣いてんだよ！そんな暇あったら救急車呼んで！」
そう叫んだキヨの目も、とっくに潤んでいた。
スマホで救急に電話しようとした瞬間、
ガ「待って！」
いつの間にかテーブルのそばにいたガッチさんが、空のグラスを掲げて言った。
ガ「これ、梅酒だわ。て事は、A、寝たんじゃない？」
3人で一斉にAを見る。その顔は赤い。
パーカーの胸元は、ゆっくりと上下していて規則正しい呼吸をしているように見える。
ガ「前も酒飲んだ時、急に寝たよね、A。急性アル中ではないと思うし、多分大丈夫だよ」
その言葉を聞いて、俺たち3人は漸く胸を撫で下ろした。…ベロベロに酔ったと言ってた割には、最年長らしく冷静な判断を下してくれて頼りになるぜ、ガッチさん。
レ「じゃあ、寝室に寝かしとく？」
ガ「いや、でも万が一吐いたりとかしたら危ないから、近くに寝かして見守ってた方がいいかもな」
レ「んじゃかけるもん取ってくる」
キ「A〜！びっくりしたよお〜！もー！」
キヨがAの胸元に縋り付いて泣き出した。…Aが起きてたら目つぶし喰らうやつだけど、まあ見逃してやろう。
牛「…んじゃあ、Aを見守りながら4人実況撮るかあ」
ガ「お前ら喧嘩してAに迷惑かけたから、迷惑料代わりにうんと面白いの撮ろうぜ」
キ「そーだな！誰もAに手出さないように、オールだな！」
レ「やるとしたらお前なんだよ」
牛「…なんかごめん、昨日抜け駆けして。純粋に料理手伝いたかっただけなんだけど」
キ「あー？もういいじゃん別に、料理めっちゃ美味かったし」
ガ「では、このフリーホラーで存分に叫んで貰いましょう！」
牛「えー！本当にそれやるの？！」
キ「その情けない声、Aに聞かせたかったなあ」
牛「いやだから昨日散々聞かせたのよ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 708人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いりや(プロフ) - にゃんさん» いつもコメントありがとうございます🥰リアルが忙しくてなかなかまとめて更新できず申し訳ないです💦楽しんで貰えるよう頑張りますね✨ (2022年7月3日 19時) (
レス) id: 457edcc921 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん - 待ってました！ほんとに更新楽しみです！！続きが気になります…！ (2022年7月2日 14時) (レス) id: e6f690fea0 (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - にゃんさん» ブクマありがとうございます☺️読んでくださる方の声が届くのはとても励みになります✨体調管理しながらがんばります😊 (2022年5月21日 18時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん - いりや様！お返事ありがとうございます…！うれしすぎます😭ブックマークさせていただいておりますので更新を楽しみにしております！…が、もちろんお身体を大切にされながらご無理のない範囲で頑張ってくださいね💦 (2022年5月17日 1時) (レス) id: 7a27a8c6b7 (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - にゃんさん» そこまで言って頂けると恐縮至極です😭ありがとうございます。まだまだ書きたいネタがてんこ盛りなので、時間の許す限りにゃんさんの生きる糧を生産させて頂きます🤣 (2022年5月16日 0時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いりや | 作成日時：2021年10月9日 17時
