だからとて (ページ32)

今日:91 hit、昨日:189 hit、合計:80,028 hit

#32 ページ32

『しまちゃん！しまちゃん！』

『見て！！連絡先！！！！』

楽屋に戻って、大我と書かれた画面をしまちゃんに見せる

「お、やったじゃん！興奮してるとこ悪いけど、ヘアメ行ってきて」

『はーい』

軽くあしらわれた気がするけどまあいいや

SixTONESのパフォーマンスが見たいがために爆速でヘアメイクを終えて、またしてもモニターの前に張り付く

『しまちゃん、隣にいてね。A何口走るかわかんないから』

「もうすでに自分の名前言っちゃってるから。口押さえてみとけ」

しまちゃんに言われた通り、ファンデが崩れない程度に口を押さえる

Rosyのイントロがかかりパフォーマンスが始まってすぐ、わたしは腰を抜かした

『し、しまちゃん、記憶ない。今やった？Rosy、歌ってた？』

カッコ良すぎる

無理かも、本当に。

無理すぎる

黒スーツ、破壊力やばい…

「やっぱかっこいいな」

え、だよねしまちゃん、ほんとかっこいいよね！

〈初さん、スタンバイお願いしまーす〉

あれからどれだけ放心してたのかわからないけど、もうスタンバイがかかった

新たにリリースした今から歌う曲は一途に恋する女の子のラブソング

特別な人に送る歌だ

今回も作詞を担当したんだけど、だからとてとは違って画面の中じゃなく、身近にいる人に恋してるっていう曲で

直接好きですって伝えられる今だからこそのラブソング

大我くんは、わたしのヒーローだ。