だからとて (ページ20)

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『しまちゃんここだ！ありがと送ってくれて』

「はいはい、楽しんできて」

「帰りなんかあったら連絡して」

やっぱりドアの外で話を聞いてたらしいしまちゃんはすぐに車を出してくれた

外観からして芸能人御用達！って感じのお店で緊張してくる

〈ご予約されてますか？〉

『田中で予約してます』

奥の方の個室に案内してもらったはいいけど、中からすでに話し声がしていて

『お疲れ様です…』

「えっ！？A！？」
『えっ！？慎ちゃん！？』

完全に声がハモってしまった

やっぱり…と言わんばかりの顔の樹くんと目が飛びでそうな慎ちゃん

慎「いや、初ちゃん！初ちゃんね！！」

『森本さん、森本さん！』

樹「お前らそれは無理あるべ」

やっぱりね、無理があるんだよ慎ちゃんの言い訳には

樹「とりあえず座りなよ、何飲む？」

『ウーロン茶でお願いします』

バレてしまったものは仕方ない

言うてもただの従兄弟だしね！

樹「で？2人なに付き合ってんの？」

『はっ！？ちょっ、なんでそうなるんですか』

慎「A、もう言っていいよね？」

「従兄弟なんだよ、俺ら」

樹「………え？従兄弟？」

ぽかーんとしてる樹くん

え、樹くんほんとに私たちが付き合ってると思ってたの？

そんなの付き合ってたら大我くんが好きとか言わないよ！

樹「なんだよ従兄弟かよ！！まじで付き合ってんのかと思ってたわ！」

慎「バカ付き合ってねぇよ！笑妹みたいなもんだよ」

『頼りになるお兄ちゃんですね』

慎ちゃんが彼氏なんて、考えるだけで笑っちゃう

樹「てか、ういって本名じゃないんだね！Aちゃん可愛い名前じゃん」

慎「あのー、にいちゃんの前で妹口説くのやめてもらっていいですか？」

樹「お前にいちゃんじゃないだろ！」

口説くの部分も否定してください田中樹さん、

樹「仲良いのに慎太郎からきょもに繋がろうとか思わなかったの？」

慎「何回も俺から言おうかって言うけど絶対嫌だって言うからさ〜」

『それだけは絶対にしたくなくて、自分も同じ土俵に立って好きって伝えたいなって頑張ってるんです』

大我くんを好きになれたのは慎ちゃんのおかげだけど

ただただ繋がるだけじゃ意味ないもん