だからとて (ページ13)

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#13 ページ13

Shintaro side

A、大丈夫かなぁ

Aが本気で好きなのも知ってるし、きょもがキラキラしてるとこだけ見て好きとか言われるのが苦手なのも知ってるからなんとも言えねぇ…

もう楽屋の前着いちまった

「ただいま戻りました〜」

「ってうぉ！樹！？」

ドアを開けた瞬間泣きそうな顔の樹が目の前にいた

なんで樹まで泣きそうなんだよ

樹「初ちゃんは！？大丈夫！？」

「あー、平気だって。マネージャーさんに受け渡してきた」

きょもは樹たちに怒られたのかちょっとしゅんとしてる

樹「もー俺どうしようかと思った！追いかけようと思ったら泣いてるし慎太郎が抱きかかえてるし」

俺が連れてきちゃったからだぁ、って

それで泣き出しそうだったんだ

ジ「大我！女の子にあんなひどいこと言っちゃダメだよ」

大「だってあいつ、絶対俺のこと全然知らないもん。キラキラしてるとか言ってそこだけしか見てない」

大「人間として関わってみたら思ってたのと違ったとか言って離れていくんだろ？」

「それは違うよきょも。みんながみんなあいつみたいじゃない」

きょもは昔、同じアイドルで俺らのファンだった女の子に好き好き言い寄られて付き合ったことがあって

きょもがその子にハマって心開いた途端、思ってた感じと違ったって言ってフラれた

ゾッコンだったからこそめっちゃ傷ついて軽く1年は引きずってたのを俺らもみてられなかったほど

大「なんだよお前ら、そんなに"初ちゃん"が好きならお前らが付き合えばいいじゃん」

きょもはそう言って楽屋を出て行ってしまった

ジ「もう、平気そうだから吹っ切れてるのかと思ってた」

樹「俺も。あそこまで引きずるとはなぁ」

付き合う付き合わないとかそういう話じゃないのに付き合えばいいなんて言ってるし、完全にあの子を思い出しちゃってる

北「てか慎太郎、初ちゃんと知り合い？」

樹「そうじゃん！なんか距離感おかしいし」

えー、これはもう言っちゃっていいのかな

いやダメかぁ、Aとの約束破れねぇし

「いや、今日初めて会った」

ジ「嘘つけよ！笑あのガッツポーズはなんだったんだよ笑」

「じ、実はめっちゃファンなんだよね！デビューしてからずっと」

別に嘘はついてない

俺がAのファン1号だ

正確には、俺と兄ちゃんが

樹「怪しいぞ〜」

「なんも怪しくねぇよ！笑」