・幸せ ページ7
【JH】
そのまましばらく無言で抱きしめたままでいた。
JH「大好き」
そう呟くと、Aが抱きしめる力をキュッと強めた。
心臓が大きくはねて、心拍数が上がるのがわかる。
大好き。
好きな人が同じ気持ちでいるってなんて幸せなんだろう。
抱きしめる力が緩くなって、少し体が離れる。
結構長い間抱きしめていたのに、もう寂しい。
少し体を離したAが俺の胸をチョンとつついて
「ここ、すごいドキドキしてるね？」
なんて上目遣いで言ってくる。
だから！ 上目遣いは反則！
可愛すぎるんだって！
心の中は荒れ狂っていたが、冷静なふりして言い返す。
JH「そんなこと言って、Aだってドキドキしてんじゃないの？」
そう言いながら、Aがしたのと同じようにチョンと押す。
Aはツンデレさんだからなー
どんな反応するかなー
なんて照れるAを想像してた…のに。
「うん。だって好きだから」
当然でしょ、みたいな顔をしてAがそう言った。…相変わらず耳は真っ赤だけど。
”好き”
その一言をあまり言わない彼女が言ったのだ。
JH「A、今日は甘々なの？」
「さっき、寂しい気持ちにさせてしまったので、、、埋め合わせ？」
「...いや、埋め合わせってなんか変かな、、えと、さっきの反省を活かして、、素直に、なってみた、」
少し恥ずかしそうに言う彼女にジーンと心が温かくなる。
JH「嬉しい。ありがと。
でも頑張りすぎなくていいからね？無理させたくないし。
それに恥ずかしがってるAも超可愛いし」
Aは驚いた顔をした後、
「可愛くない」
そう言って、俯いてしまった。
やっぱり、かわいい。
どうしても緩んでしまう頬を手で抑えようとすると、そっとAに抱きしめられた。
「無理してない。好きだから伝えたいの」
俺のパーカーに顔をうずめてそう言ったAに心臓の鼓動がまた早くなる。
またドキドキしてるのバレちゃうな…
なんて思いながら二人でいられるこの幸せを噛み締めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：tanaka | 作成日時：2022年11月5日 2時
