空白の2年間 (ページ9)

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聡side ページ9

予想外のことが起こったんだよ、副委員長にAちゃんが立候補したんだ。

今がチャンスそう思った僕は話しかけたけど、空回りして凄く変なこと言った気がする…緊張しててあんまり覚えてないけど、兎に角Aちゃんは相変わらずニコニコしていた。

かわいいなあ… 。

そのあと直ぐに委員長は終わって、なんだか話せた事で自信がついた僕は一緒に帰らないか、っておもいきってみたら、快く頷いてくれた、、と思う。

2人で歩く帰り道は凄く楽しかった。

彼女は僕がふざけると" 違うわ！"みたいなことを言って手をブンブン振るんだ。

それに今までにないくらいに笑ってくれてるんじゃないかな。

なんて勘違いじゃないといいけど。

あっという間にばいばいする曲がり角まで来てたみたい。その場所でしばらく話してると、突然Aちゃんが帰ろう！と促してきた。

そうだよね、帰らないとだよね。
待ってる人、いるんだろうなあ。

また明日会えますように。

相変わらず空っぽの家には母親からの置き手紙で " 冷凍庫の中の温めてね " と書いてある。

お母さんの字は丸くて可愛いけれど冷凍庫の中には冷凍食品、だろうなあとは思うけど寂しさが増す。