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2枚入場券を持った風磨くんが
1枚を渡してくれた。
「ありがとうございます…」
風磨「いえいえ、じゃあ入ろっか」
中に入れば平日の真昼間って事もあり、
チラホラ人がいる程度。
『こっちからだって』
そう言って、また繋がれる手。
不意にこういう事が出来るなんて、
やっぱりモテるんだろうなぁ。
再び感じる温もりに、無意識に頬が緩む。
「わぁ、かわいい!」
風磨「奥にいるやつめちゃくちゃデカいよ」
2人で同じ水槽を見て、ひとつひとつの魚を見ていく。
…なんか凄くカップルみたいじゃない?今。
風磨「そう言えばイルカのショーがあるからそれ見に行く?」
「え!!見たいです!!」
勢いよく言えば分かった分かったと、
もう1つ空いてる手で頭をポンポン撫でてくれる。
ショーが見れる所に向かえば、
まだまだ席は沢山空いていて
1番見やすそうな席に2人で腰掛けた。
風磨「もうそろそろ…あ、もう始まるわ」
時計を見た風磨くんは待ってましたと言わんばかりの表情に変わる。
うわ、可愛い…。
『只今より、イルカさんたちによるショーが始まりまーす!』
イルカの水槽の所に立ってるお姉さんが
元気よく合図をすればイルカは高くジャンプをした。
私と風磨くんは、もう目をキラキラと輝かせて
『やべえ!!』『可愛い!!』『凄い!!』
ってはしゃいでいる。
まるで二人だけの世界みたい。
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「凄い楽しかったなぁ」
風磨「よかった」
水族館を見終わった後、
さっきの海に戻ってきた私達は
靴と靴下を脱いで砂浜を歩いている。
さっきより日が落ち、辺りは赤く染っている。
こんなに綺麗な夕焼けを見るのは初めてだ。
柔らかい砂の感触がなんだか新鮮で、
足をついつい動かしてしまう。
風磨「今日はありがとうな」
横から聞こえた彼の声はとても優しくて、
同時に繋がれてる手に少し力が入ったような気がする。
風磨くんの方を見ると
「……っ…」
なんでか切なげに笑っている風磨くんがいて
目が離せなくて、同時に少し寂しくなって。
なんだか少し泣きそうになる。
風磨「あのさ、まだ出会ってそんなに経ってないんだけど、俺…Aの事が好き」
「……え?」
風磨「俺の彼女になってくれませんか?」
時が止まったような、そんな感覚に
私はただ息を呑む事しか出来なかった。
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梦苺(プロフ) - MAYUKOさん» こんにちは!ありがとうございます。とてもモチベーションに繋がります(^^)亀更新ではありますが、是非最後まで見てやってくださいー! (2019年4月6日 16時) (レス) id: e5f409bb48 (このIDを非表示/違反報告)
MAYUKO(プロフ) - こんにちは。とても面白いです。更新楽しみにしています! (2019年3月31日 14時) (レス) id: c9e054e139 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梦苺 | 作成日時:2018年11月6日 3時